ラムネ (錠菓)

ラムネの歴史と製法

ラムネ（コンプレスト・タブレット・キャンディ）は、日本における清涼感を持つ錠菓の総称です。その起源は日本にあり、もともとは砂糖を主成分とし、湿式で作られる落雁様のタイプが一般的でした。しかし、昭和後期からは乾式タイプも普及し、現在では幅広い種類のラムネが存在します。

製法について

ラムネの主な原材料には、砂糖またはブドウ糖、でんぷん（馬鈴薯でんぷんやコーンスターチなど）、そして酸味料としてクエン酸が使用されます。かつては発泡感を生み出すために重曹も使われていましたが、1969年以降は禁止されています。また、人工甘味料のズルチンも使用されたことがありましたが、これも1970年代に利用が制限されています。近年、森永ラムネではタピオカでんぷんが使用されていますが、自家製ラムネが人気を博し、重曹や片栗粉、クエン酸といった身近な材料を使った簡単な過程が広まっています。

定義の変遷

文部科学省は2010年の日本食品標準成分表までは「キャンデー類 - 錠菓」と分類していましたが、2015年からは「キャンデー類 - ラムネ」に見直され、「錠菓＝ラムネ」と定義されました。通販サイトなどでも、時には粒状のミントキャンディやタブレット形式の菓子をラムネに含めることが一般的です。原料により分類しようとする動きもありますが、これには統一性が見られません。特に森永製菓の公式サイトでは、ペッツをラムネとは異なるカテゴリーとして扱っています。

歴史的背景

ラムネの起源については諸説ありますが、落雁の製法から参考にしたとされる一方で、1881年説などの詳細ははっきりしていません。また、「ラムネ」という名称は、レモネードに由来する可能性が高いと考えられています。1840年代のロンドンでは、清涼菓子として小粒のミント菓子「アルトイズ」が販売されるなど、ラムネの前に類似した製品が存在しました。

戦後の展開

1948年に東京の土棚製菓が製造を開始し、その後1949年には大阪の島田製菓が設立されました。1950年には名古屋の大橋商店が駄菓子屋での販売を始め、1955年には個別包装された「固形ラムネ」が登場しました。1963年にラムネ菓子が広く認知されるようになり、1973年に森永製菓がラムネ瓶を模した新しいタブレット菓子「森永ラムネ」を市場に出しました。この製品は当時としては革新的な原料使用を行い、好評を博しました。

2010年代のブーム

2010年ごろから、インターネットによって「森永ラムネ」が二日酔いや脳の活性化といった効果を持つと注目され、2015年にはテレビでも紹介されるまでに至ります。このことから、ブドウ糖を含むラムネ製品の需要が増加し、社会人向けや受験生向けの新しい製品が次々に開発されました。最近では、栄養成分を強調した「チュアブルサプリ」としてのラムネ菓子も登場しています。

その他の特徴

ラムネ菓子をコーラなどの炭酸飲料に入れると、激しい発泡が起こり、炭酸飲料が噴水のようにあふれ出ることが知られています。これはラムネの成分自体によるものではなく、ラムネの表面にある細かな穴（多孔質性）が原因です。

ラムネは、長い歴史の中で発展を遂げ、現在でも多くの人々に愛されています。多様な風味や形式のラムネが、今後も私たちの生活に彩りを添えることでしょう。

もう一度検索