ラリー・コステロ

ラリー・コステロ：勝利を導いた名選手、名コーチ

ラリー・コステロ（Lawrence Ronald Costello, 1931年7月2日 - 2001年12月13日）は、アメリカ合衆国ニューヨーク州出身のバスケットボール選手、指導者。

大学時代

ナイアガラ大学時代には、シエナ大学との6度の延長戦を繰り広げる激闘で、69分40秒間を戦い抜きチームを勝利に導いた。この試合でのコステロのプレーは観客に強い印象を与え、彼の背番号は『24』から試合時間と同じ『69』に変更された。また、ヒュービー・ブラウンとは大学時代のチームメイトであった。

NBA選手としてのキャリア

1954年のNBAドラフトでフィラデルフィア・ウォリアーズから2巡目全体12位指名を受けてNBA入り。兵役期間を除き、2シーズンをウォリアーズで過ごした後、1957-58シーズンにシラキュース・ナショナルズに移籍。故郷のフランチャイズチームであるナショナルズ（後のフィラデルフィア・76ers）で、1968年に引退するまでの10シーズンを過ごした。

ウォリアーズ時代は平均7.3得点と目立った活躍はなかったものの、ナショナルズ移籍後は主力選手として才能を開花。1957-58シーズンには14.9得点、5.3リバウンド、4.4アシストと大きく成績を伸ばし、1958-59シーズンにはキャリアハイとなる15.8得点を記録してオールスターにも初選出された。

当時のナショナルズは、ドルフ・シェイズやハル・グリアらを擁する強豪チームだったが、ボストン・セルティックスの黄金時代に阻まれ、プレーオフでは苦戦を強いられた。30歳を超えたコステロは徐々に成績を落とし、1965年に一度は引退を決意する。

しかし、この年にウィルト・チェンバレンが加入し、76ers（1963年にナショナルズから改名）は大きく勝率を伸ばした。アレックス・ハナム新ヘッドコーチの要請により、コステロは現役復帰。若手中心のチームにベテランとしての経験と知識を注入し、チームを支えた。

コステロのサポートもあり、76ersは1965-66シーズンを68勝14敗という当時のNBA記録となる高勝率で終えた。コステロ自身はシーズン中にアキレス腱を断裂してしまうも、プレーオフには出場。カンファレンス決勝でセルティックスを、ファイナルで古巣ウォリアーズを破り、見事優勝を果たした。翌シーズンまでプレイし、コステロは現役を引退した。

NBA通算成績は12シーズン706試合に出場、8,622得点、3,215リバウンド、平均12.2得点、4.6アシストを記録。

NBAコーチとしてのキャリア

現役引退後、コステロは東シラキュース・ミノア高校のバスケットボールチームのコーチに就任。同校を州タイトルに導くという最初の成功を収めると、1968年に誕生したミルウォーキー・バックスの初代ヘッドコーチに就任。

チームは1年目に大きく負け越したものの、1969年のNBAドラフトでカリーム・アブドゥル＝ジャバーを獲得。ジャバーの加入によりチームは躍進し、1970-71シーズンにはオスカー・ロバートソンも加わり、当時のNBA記録となる20連勝を含む66勝16敗を記録。プレーオフも勝ち抜き、見事に優勝を果たした。

コステロにとっては選手時代と合わせて2度目の優勝。チーム創設から3年目での優勝はNBA史上最短記録である。その後、バックスはジャバーを中心に70年代屈指の強豪チームとしてリーグに君臨するも、優勝はこの1回のみ。1975年のジャバーの移籍とともにチームは衰退し、コステロは1976-77シーズンを最後にコーチを解任された。

1978年にはシカゴ・ブルズのヘッドコーチに就任するも、20勝36敗と振るわず、シーズン途中で解任された。

NBAコーチ通算成績は10シーズン730試合、430勝300敗、勝率.589。プレーオフ進出6回、ファイナル進出2回、優勝1回。

NBAを離れてからは、女子プロバスケットボールリーグのミルウォーキー・ドーズのコーチを経て、1980年代からはウティカ大学のバスケットボールチームを指導し、NCAAデビジョンIIIからデビジョンIへの昇格に貢献した。

選手としての特徴、人物

選手としては優れたディフェンダーであり、NBAでは最後の両手でジャンプシュートを打つ選手として知られていた。シュートの精度も高く、フリースロー成功率でリーグトップに2度輝いている。

殿堂入り選手、ディック・マグワイアは、コステロを彼と同時代にプレイした最も優秀なガードの一人と評価している。

2001年12月13日、癌のため70歳で死去。

2022年、功労者部門でバスケットボール殿堂入りを果たした。

主な業績

NBAオールスターゲーム選出：1959年－1962年, 1965年
オールNBA2ndチーム選出：1961年
* フリースロー成功率1位：1963年, 1965年

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