ラルフ・ボストン

ラルフ・ハロルド・ボストン（Ralph Harold Boston、1939年5月9日 - 2023年4月30日）は、アメリカ合衆国の陸上競技選手で、特に走幅跳でその名を馳せました。1960年代を代表する選手の一人として、3度のオリンピックでメダルを獲得した実績を持ちます。

輝かしい記録

ボストンは、1960年ローマオリンピックで金メダルを獲得し、その実力を世界に示しました。さらに、1960年には、伝説の選手ジェシー・オーエンスが保持していた走幅跳の世界記録（8.13m）を、25年ぶりに8.21mに更新するという偉業を達成しました。その後も、1965年までに計5回の世界新記録と1回の世界タイ記録を樹立し、走幅跳の歴史にその名を深く刻みました。これほどまでに世界記録を更新し続けた走幅跳選手は、ボストン以外にはいません。

競技経歴

1961年から1964年までのアメリカ選手権では、走幅跳で4連覇を達成し、国内トップ選手としての地位を確立しました。また、1963年には三段跳でも国内ランク1位となるなど、高い身体能力を示しました。

1964年東京オリンピックでは、走幅跳で銀メダルを獲得。オリンピック後もその勢いは衰えず、1965年には全米選手権の走幅跳と110mハードルの2冠を達成しました。また、走高跳でも1960年から1967年までの世界ランキングで常に上位に位置するなど、多岐にわたる種目で高いレベルの競技力を維持していました。

1968年、29歳になったボストンは、国内タイトルと世界ランク1位の座を他の選手に譲ることになります。同年のメキシコシティオリンピックには走幅跳で出場しましたが、この大会では、同胞のボブ・ビーモンが8m90という驚異的な世界新記録を樹立し、ボストンの記録を55cmも更新しました。ボストンは銅メダルを獲得し、このオリンピックを最後に現役を引退しました。

引退後

引退後は、陸上競技界への貢献を続けました。しかし、2023年4月30日に83歳でこの世を去り、陸上界は偉大なレジェンドを失うこととなりました。

まとめ

ラルフ・ボストンは、走幅跳という種目において、その卓越した才能と努力で数々の記録を打ち立て、陸上競技の歴史に名を残しました。彼の功績は、後世の選手たちに大きな影響を与え続けています。

脚注

ワールドアスレティックスのプロフィール（英語）
Olympediaのプロフィール（英語）

もう一度検索