ランタナ

ランタナとは

ランタナ（学名：Lantana camara）は、クマツヅラ科に属する常緑性の小低木です。中南米を原産とし、その美しい花から観賞用として広く栽培されています。日本では、花の色が変化することから「七変化（シチヘンゲ）」という和名で親しまれています。

ランタナの特徴

ランタナは、多数の小さな花が集まって咲く散形花序を形成します。開花が進むにつれて花の色が変化するのが特徴で、一つの花序の中でも外側の花と内側の花で色が異なることがあります。これは、内側の花が新しく咲いた花であるためです。アジサイと開花時期が重なり、葉の形も似ていますが、アジサイとは全く別の植物です。ランタナは全体的に小さく、花の色はアジサイよりも鮮やかです。

ランタナの果実は黒色の液果で、種子には有毒物質であるランタニンが含まれています。しかし、鳥は果実を食べても問題なく、種子を散布します。これは、鳥類には無毒ですが、哺乳類には有毒という液果を持つ植物によく見られる特徴です。

茎は断面が四角形で、細かい棘が密生しています。葉は対生し、表面がざらついています。温暖な地域では屋外でもよく育ち、高さ1.5mほどに成長することもあります。

ランタナの分布と外来種問題

ランタナは、原産地である南アメリカだけでなく、世界中に帰化植物として定着しています。日本では、小笠原諸島や沖縄諸島でその存在が確認されています。

しかし、ランタナは繁殖力が非常に強く、世界の侵略的[[外来種ワースト100]]にも選定されています。特に熱帯や亜[[熱帯]]地域では、種子から容易に繁殖し、管理を怠ると庭一面に広がってしまうことがあります。そのため、一部地域では「植えてはいけない花」と呼ばれることもあります。

ランタナ属には、中南米や南欧原産の約150種の低木や多年草が含まれており、熱帯や亜[[熱帯]]地域では広く野生化しています。オーストラリアや東南アジアなどでは、雑草として問題視されています。ランタナは、ややツル状に横に広がり、細かい棘があるため扱いが難しいですが、その美しい花には多くの蝶が集まります。

日本では、冬の寒さがあるため、秋に切り戻しなどの対策をしないと枯れてしまうことがあります。しかし、熱帯地域ほど侵略性が高くないため、庭に植えられていることもあります。

ランタナの園芸品種

ランタナ属には、ランタナの他に、小型で地面を這うように広がるコバノランタナ（Lantana montevidensis）や、これらの雑種が栽培されています。また、種子を作らないランタナ・ヴェリエガータ（別名：ランタナ・アロハ）のような品種も存在し、観賞用として流通しています。

ランタナの亜種

ランタナ・カマラには、いくつかの亜種が存在します。以下は、キュー植物園のデータベースで受容されているものです。

Lantana camara subsp. aculeata：メキシコやカリブ海地域に自生。
Lantana camara subsp. camara：メキシコ（ベラクルス州）やニカラグア、カリブ海地域に自生。
Lantana camara subsp. glandulosissima：メキシコからベネズエラ北部、キューバ、プエルトリコに自生。
Lantana camara subsp. moldenkei：キューバ東部からイスパニョーラ島に自生。
Lantana camara subsp. moritziana：コスタリカから熱帯アメリカ南部に自生。
Lantana camara subsp. portoricensis：プエルトリコからヴァージン諸島に自生。

まとめ

ランタナは、美しい花を咲かせる一方で、非常に強い繁殖力を持つ植物です。観賞用として楽しまれる一方で、外来種としての問題も抱えています。その特性を理解した上で、適切に管理することが重要です。

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