ランタンの同位体

ランタンの同位体

ランタン（La）の同位体は、天然に生成されるものが2種類存在しており、安定同位体の139Laと放射性同位体の138Laです。139Laは、天然の存在比が99.91%と非常に高く、自然界において最も一般的に見られる同位体です。

放射性同位体の特徴

ランタンには38種類の放射性同位体が同定されていますが、その中でも最も安定しているのが138Laです。138Laの半減期は非常に長く、約10億5000万年に達します。これに対して、137Laは60000年、そして140Laは1.6781日という短い半減期を持っています。他の同位体の多くは24時間以内で崩壊するものが多く、ほとんどは1分以内に変化するため、安定性の面ではその多くが非常に不安定です。また、ランタンには3種類の核異性体が存在します。

原子量と標準原子量

ランタンの原子量は117から155の範囲にあり、標準原子量は138.90547(7) uとして知られています。この値は、さまざまな同位体の自然存在比を考慮に入れて求められています。

RaLa実験と140Laの利用

140Laは、第二次世界大戦中のマンハッタン計画において特に興味深い利用がされました。ロバート・サーバーが提唱したRaLa実験では、原子炉で合成できるバリウム140から生成された140Laが用いられました。この同位体は高い比放射能を持っており、短い半減期とガンマ線を実験に必要とする量を効果的に放出できる特性から、実験に適していました。

引用文献

ランタンの同位体についての詳細な情報は、さまざまな学術資料から得られています。特に、G. Audiによる『Ame2003 Atomic Mass Evaluation』や、IUPACによる『Atomic weights of the elements, Review 2000』などが参考になります。また、核物理学に関する情報は、Audiらによる『Nubase2003 evaluation of nuclear and decay properties』や、Brookhaven National LaboratoryのNational Nuclear Data Centerからも得られます。

さらに、David R. Lideが編集した『CRC Handbook of Chemistry and Physics』も、同位体の特性についての重要な情報源となっています。これらの資料は、ランタンの同位体についての理解を深めるために活用されています。

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