ランチア・ムーザ

ランチア・ムーザ（Lancia Musa）

ランチア・ムーザは、イタリアの自動車メーカーであるフィアットが展開するランチアブランドの一員として、2004年から生産されている5ドアのミニバン風ハッチバック型乗用車です。基本となる車両はフィアット・イディアですが、ランチアの伝統的なデザイン要素を取り入れたフロントやリア、そしてインテリアが特徴です。

特徴とデザイン

ムーザは、フィアット・イディアをベースにしながらも、さまざまな特徴を持っています。その一つとして、自動変速機能を搭載した「Dolce Far Niente」（D.F.N）という名の半自動変速機が選択できる点が挙げられます。また、車内にはアルカンターラや本革が多く使用されており、クロームメッキのアクセントが施されたエレガントなインテリアが魅力的です。さらに、ポルトローナ・フラウが手がけた上質な内装トリムや、豊富に用意されたメタリック系の2トーンカラーの外装塗装は、「小さな高級車」としての特性を際立たせています。このような演出は、弟分であるランチア・イプシロンとの親和性も感じさせます。

エンジンバリエーション

ムーザのエンジンには、様々なバリエーションがあります。ガソリンエンジンには、1.4リッターの8バルブ78馬力と16バルブ95馬力の2種類が用意されています。ディーゼルエンジン車からは、1,248ccの8バルブ70馬力や、同16バルブ90馬力、また1,910ccの8バルブ101馬力など、合計で4種のエンジンが選択可能です。特に、ディーゼルエンジン車は低燃費でありながら高い動力性能を備えており、自動車評論家の小林彰太郎氏も高く評価しています。彼は、イプシロンからムーザまで、ディーゼルエンジンのモデルを続けて愛用しているとのことです。

変遷とマイナーチェンジ

2007年10月には、マイナーチェンジが行われました。その内容には、トランクスペースの拡大やフロントグリルのデザイン変更、ランチアマークのサイズアップ、さらにBluetoothとMP3オーディオへの対応が含まれます。また、ボディカラーにも新色が追加され、魅力が一層増しました。しかし、2012年には生産が終了してしまいました。

日本市場への輸入

日本市場には、ガレーヂ伊太利屋によって一部が並行輸入されています。特に1.4 16Vモデルは316.05万円という価格が設定されています。ムーザは5ナンバーサイズに収まる貴重な欧州車ですが、左ハンドルのみの販売やサービス網の限られた状況から、販売台数は伸び悩んでいます。

外部リンク

• - ガレーヂ伊太利屋 ランチア・ムーザ

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