ランディ・カバジェロ

アメリカ合衆国カリフォルニア州コーチェラ出身のランディ・カバジェロは、1990年 9月27日に生まれたプロボクサーです。元IBF世界バンタム級王者として知られています。

アマチュアでの礎

カバジェロはわずか8歳でボクシングを始め、アマチュアのリングでその才能を開花させました。国際舞台では、2006年にトルコのイスタンブールで開催されたカデット世界選手権にライトフライ級で出場し、準決勝まで進出しています。国内では、2008年の全米選手権フライ級で頂点に立ち、優勝を果たしました。また、2009年のナショナルゴールデングローブにはバンタム級で出場しましたが、準々決勝でヘスス・マグダレノに阻まれました。北京オリンピックは年齢制限のため出場を断念せざるを得ませんでしたが、ロンドンオリンピックを目指してトレーニングを続けていました。しかし、試合中に拳を負傷するという不運に見舞われ、約1年間の休養を経て、プロへの転向を決断しました。アマチュアでの通算戦績は177戦167勝10敗という、非常に高い勝率を誇りました。

プロキャリアの始まりと飛躍

2010年3月25日、ランディ・カバジェロはプロデビューを飾りました。カリフォルニア州コマースで行われたゴンサロ・ニコラスとの一戦では、開始わずか49秒で相手をマットに沈め、初回KO勝利という鮮烈なデビューを飾りました。その後も勝利を積み重ね、2011年7月1日にはファンタジー・スプリングス・リゾート・カジノでアレクシズ・サンティアゴとWBCインターコンチネンタルスーパーバンタム級ユース王座決定戦を戦い、8回判定勝利でキャリア初のタイトルを獲得しました。さらに、2012年3月16日にはホセ・ルイス・アライーザとのNABO北米バンタム級王座決定戦を制し、新たなベルトを手にしています。これらのタイトルを複数回防衛し、無敗の快進撃を続けました。

世界王座戴冠、そして試練

2014年4月4日、カバジェロは日本のリングに初登場しました。神戸サンボーホールにて、元日本バンタム級王者である大場浩平選手とのIBF世界バンタム級挑戦者決定戦に臨み、8回TKOで勝利。この勝利により、IBF世界バンタム級王座への指名挑戦権を獲得しました。当時の王者ポール・バトラーが王座を返上したため、カバジェロは空位となった王座を巡り、IBFランキング3位のスチュアート・ホールと対戦することになりました。2014年10月25日、モナコで行われた王座決定戦で、カバジェロはスチュアート・ホールに12回判定で勝利し、無敗のままIBF世界バンタム級王座を獲得しました。

世界王者となったカバジェロは、2015年2月27日にアルベルト・ゲバラとの初防衛戦を予定していましたが、自身のかかとから良性腫瘍を摘出する手術を受けたため、試合は延期となりました。そして2015年11月21日、暫定王者リー・ハスキンスとの王座統一戦で初防衛を目指すことになります。しかし、試合前日に行われた計量で、カバジェロはバンタム級のリミットを大幅に超過し、再計量も拒否したため、規定により王座を剥奪されてしまいました。この結果、ハスキンスが正規王者に昇格し、試合は中止となるという、カバジェロのキャリアにおいて最大の試練となりました。

再起とキャリアの変遷

王座剥奪から約1年4ヶ月後の2016年2月5日、カバジェロはフェザー級で復帰戦を行いました。ルーベン・ガルシアとの10回戦は、ガルシア陣営の棄権によりカバジェロの勝利となりました。その後も試合を重ねますが、2017年9月16日、ラスベガスで行われた主要な興行の前座でディエゴ・デ・ラ・ホーヤと対戦し、10回判定負けを喫しました。これはカバジェロにとってプロキャリア初の敗戦となりました。

戦績

ランディ・カバジェロのプロ戦績は25戦24勝（14KO）1敗です。

獲得タイトル

WBCインターコンチネンタルスーパーバンタム級ユース王座
NABO北米バンタム級王座
* IBF世界バンタム級王座（防衛0=剥奪）

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