ラヴァント谷線

ラヴァント谷線

ラヴァント谷線（Lavanttalbahn）は、オーストリア連邦鉄道が運営する鉄道路線で、路線番号は620です。この路線は、ケルンテン州の東部と州都クラーゲンフルトを結び、地域住民の足として重要な役割を果たしています。

概要

公式にはツェルトヴェク - ラヴァミュント間がラヴァント谷線とされていますが、旅客営業はヴォルフスベルク - ザンクト・パウル間で行われています。ザンクト・パウル - ブライブルク間はヤウン谷線、ブライブルク - クラーゲンフルト間はドラウ谷線の一部ですが、運行系統が同じであるため、この記事ではこれらを一括して「ラヴァント谷線」として扱います。

歴史

ラヴァント谷線の歴史は古く、1863年に帝国特認南部鉄道がマルブルク（現マリボル）- クラーゲンフルト間を開通させたことに端を発します。その後、1876年の法律でウンタードラウブルク - ヴォルフスベルク間の地方鉄道建設が承認され、1879年に開通しました。1900年にはツェルトヴェク - ヴォルフスベルク間が開通し、路線の延伸が進みました。

第一次世界大戦後、ドラヴォグラードを含む一部区間がセルビア人・クロアチア人・スロヴェニア人王国領となり、回廊列車が運行されました。しかし、第二次世界大戦後、ヤウンタール線の開通により、ラーヴァーミュント - ドラヴォグラード間は1965年に廃止されました。

1997年にはザンクト・パウル - ラーヴァーミュント間の旅客列車が廃止され、2001年以降はツェルトヴェク - ヴォルフスベルク間の旅客輸送はバス代行が中心となりました。2004年からは私鉄のラーヴァーミュント鉄道が貨物輸送と観光列車を運行しましたが、2012年にはエッテンドルフ - ラーヴァーミュント区間が通行止めとなり、ザンクト・パウル - ラーヴァーミュント間は2016年に撤去されました。

2022年から2023年にかけて、工事のためヴォルフスベルク - クラーゲンフルト間で運休していましたが、2023年12月に運行を再開しました。

運行形態

2023年現在、ブライブルク以北で全列車が運休しています。ヴォルフスベルク - ザンクト・パウル区間はケルンテン運輸連合の運賃制度が適用されています。

快速「レギオナル・エクスプレス(REX)」

平日に限り、クラーゲンフルト - ヴォルフスベルク間で運行されています。朝に西行が2本、夕方に東行が3本運行され、西行の一部は660号線のヴァイツェルスドルフ方面に直通します。

普通「Sバーン(S3)」

クラーゲンフルト - ヴォルフスベルク間で1時間に1本運行されています。各駅に停車します。

駅一覧

以下は、ラヴァント谷線の主要な駅と、停車する列車種別、接続路線の一覧です。


凡例
REX: 快速「レギオナル・エクスプレス」
S: 普通「Sバーン」


ラヴァント谷線は、ケルンテン州の地域輸送において重要な役割を果たしており、今後もその役割を担い続けることが期待されます。

参考文献

Dietmat Rauter; Herwig Rainer (1999) (ドイツ語). Anseits großer Schienenwege: Die Lavanttalbahn. Der Wolf Verlag. ISBN 3-901551-39-5

外部リンク

路線経路、主要施設、許容速度: OpenRailwayMap

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