ラ・デファンス＝グランダルシュ駅

ラ・デファンス＝グランダルシュ駅：パリの西の玄関口

ラ・デファンス＝グランダルシュ駅は、フランスの首都パリ西部郊外、オー＝ド＝セーヌ県ピュトー市に位置する主要な鉄道駅です。有名な現代建築、グランダルシュ（新凱旋門）の直下にあり、パリ近郊の都市再開発地区であるラ・デファンスの中核を成しています。複数の鉄道網が接続する交通の要衝であり、ビジネス街や商業施設が密集するこの地区へのアクセスを担っています。

多様な路線網

この駅は、フランス国鉄（SNCF）とパリ交通公団（RATP）の複数の路線が乗り入れています。SNCFからはトランジリアンL線とU線（同一線路を走行）、RER E線が、RATPからはパリメトロ1号線、RER A線、そしてパリトラム2号線が利用可能です。特に、U線は当駅から発着する始発駅であり、トラム2号線も当駅から運行を開始しています。そのため、ラ・デファンス地区のみならず、パリ中心部や周辺地域へのアクセスが非常に容易です。

複雑かつ巨大な駅構造

ラ・デファンス地区自体が傾斜地の上に人工地盤で造成されているため、駅の構造は非常に複雑です。地下深くから地上まで、複数の層にわたってホームや改札口、商業施設などが配置されています。ここでは便宜上、地下層を第1層から第6層として説明します。

第1層: RER E線のホーム
第2層: RER A線のホーム
第3層: メトロ1号線のホーム。高速道路A14線が線路のすぐ外側に走っています。
第4層: 各路線の改札口とチケット売り場。自動改札機が設置されています。南北に伸びる地下街のようなコンコースには、多くの商店が軒を連ねています。
第5層: バス乗り場、トラム2号線のホーム、そしてSNCFのホーム。コンコースの上部は吹き抜け構造になっています。
第6層: グランダルシュの前庭。地上レベルです。

特筆すべきは、RER A線とメトロ1号線の線路がグランダルシュの基部を貫通している点です。また、グランダルシュはSNCFの線路を避けるために、パリの歴史的中心軸から約6度傾いているという設計上の工夫も見られます。

駅周辺環境

駅周辺は、まさに現代的な都市開発の結晶です。駅直西にはグランダルシュがそびえ立ち、北側にはCNIT（会議場やホテルなどを含む複合施設）、南側には大規模ショッピングセンター「レ・キャトル・タン」が隣接しています。オフィスビルや高層マンションが立ち並び、ビジネスと生活が一体となった活気ある街並みが広がっています。

歴史

駅の開業は1959年4月、SNCFの駅として遡ります。これはサン・ラザール駅からヴェルサイユを結ぶ鉄道の開業（1839年）から約120年後、ラ・デファンス地区の開発が本格化した時期に実現しました。その後、RER、メトロ、トラムといった路線が順次開業し、現在の規模へと拡大していきました。RERの開業（1970年）、メトロの延伸開業（1992年）、トラムの開業（1997年）、そして最新のRER E線の開業（2024年5月）と、ラ・デファンス＝グランダルシュ駅の歴史は、ラ・デファンス地区の発展そのものを物語っています。

隣の駅

メトロ1号線: エスプラナード・ド・ラ・デファンス駅
RER A線: シャルル・ド・ゴール＝エトワール駅、ナンテル＝プレフェクチュール駅
RER E線: ナンテール＝ラ・フォリー駅、ヌイイ＝ポルト・マイヨ駅
トラム2号線: ピュトー駅
Transilien L線: クールブヴォア駅、ピュトー駅
Transilien U線: ピュトー駅

ラ・デファンス＝グランダルシュ駅は、単に交通の結節点であるだけでなく、ラ・デファンスという現代都市の象徴的な存在であり、その発展と未来を担う重要な拠点となっています。

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