ラ・ムー (バンド)
ラ・ムー（RA MU）についての詳細
ラ・ムーは、1988年に菊池桃子とキーボーディスト松浦義和が中心となって結成されたバンドである。バンドの音楽スタイルは、ブラック・コンテンポラリーとアイドル歌謡を組み合わせたものであり、当時としては非常に独創的であった。この異色のスタイルは、当時の音楽シーンには合わず、商業的には成功しなかったため、彼らの活動は短命で終わることとなる。しかし、2010年代に入るとシティ・ポップブームが到来し、彼らの楽曲は見直され、再評価の機運が高まった。
ラ・ムー結成までの経緯
菊池桃子は1984年にデビューシングル「青春のいじわる」を発売し、以後順調なキャリアを築いていた。シンガーソングライターの林哲司による楽曲提供により、菊池は1985年から1987年にかけてシングル曲を7作連続でオリコンチャート1位に押し上げる成功を収めた。しかし、1987年の「Nile in Blue」以降、オリコンチャートでの成績は低下し、特に「ガラスの草原」では最高4位に留まり、菊池は歌手としての人気に陰りが見え始めた。
菊池は、歌唱のみならず音楽制作にも関与したいと考えており、短大進学を機にバンドを結成する意向を固めた。1987年の年末、彼女の人生の新たな章が始まった。
ラ・ムーの活動と特徴
ラ・ムーは1988年2月17日に結成を発表し、そのスタイルや音楽アプローチは特異なものであった。彼らの構成は7人編成で、バックコーラスには2人の黒人シンガーが参加していた。ルックはロックバンドスタイルを自認していたが、菊池の歌声や曲調にはアイドル的要素が色濃く残っており、音楽的にはR&Bやファンクの要素が強かった。
リーダーの松浦義和は、ラ・ムーの音楽を「タイトなリズムと日本人に受け入れられるメロディーの融合」として説明し、ロックと歌謡曲の境界を超えた新たな音楽を目指していた。
発売されたシングル「少年は天使を殺す」はオリコンで4位にランクインしたものの、このスタイルによってコミックバンドのように扱われ、常に商業的成功には及ばなかった。1989年に菊池が女優業に専念するために事務所を移籍したことで、ラ・ムーは事実上解散となった。
解散後の評価と再評価
解散後、菊池はCMや女優業で成功を収め、まさに復活劇とも言えるキャリアを歩んだ。一方で、ラ・ムーの音楽は一度は埋もれたが、2010年代のシティ・ポップブームの中で再評価を受けることとなった。特に、筋肉少女帯の楽曲の中で「ラ・ムー時代の菊池が真のロッカーである」という発言がされたことで、その存在が再度注目されるようになった。
メンバーとディスコグラフィ
ラ・ムーのメンバーは、以下の通りである:
また、彼らの楽曲は2010年以降、iTunesやレコチョクで配信され、新たなファン層に受け入れられている。特に、シングルやアルバムに収められた楽曲は、アイドル歌謡やロックの枠を超えた新しい音楽的挑戦を示している。
ラ・ムーは短い活動期間ながらも、音楽の可能性や表現の幅を広げようとした挑戦的な姿勢が、多くの人々に影響を与え続けている。
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