リウネ

リウネ：ウクライナ北西部の歴史都市

リウネは、ウクライナ北西部に位置する歴史豊かな都市であり、リウネ州の行政中心都市として機能しています。ウスチャ川沿いに広がるこの都市は、古くから戦略的な要衝として発展を遂げ、幾多の歴史的変遷を経験してきました。

古代から中世へ

10世紀には、キエフ大公国による要塞がウスチャ川の右岸に築かれ、リウネの歴史の幕開けとなります。1238年には、ハールィチ・ヴォルィーニ大公国の都市として、ルーシ年代記にその名が初めて登場します。その後、リトアニア大公国の支配下に入り、1461年にはヴォルィーニ系ネスヴィツィクィイ公家、1518年にはヴォルィーニ系オストロジシクィイ公家の支配を受けました。1491年には自治権を獲得し、独自の都市としての発展を歩みます。

激動の近世

1569年、リウネはポーランド王国の都市となりましたが、同年、クリミア・タタール人の襲撃を受け、略奪を経験します。1624年と1691年には大火災に見舞われ、それぞれ80%、90%の市街地が焼失する壊滅的な被害を受けました。1640年には再びクリミア・タタール人の略奪、1648年にはウクライナ・コサックの略奪を受け、周辺地域はコサック軍とポーランド軍の激しい争いの舞台となりました。1648年には、初の病院が建設され、医療体制の整備が始まりました。1723年からは、ポーランド系リュボミルスキ家の支配下に入ります。1755年には人口が700戸にまで増加するなど、徐々に復興の道を歩んでいきますが、1770年にはペストの流行に見舞われました。

近現代

1793年、リウネはロシア帝国の支配下に入ります。1839年にはギムナジウムが創立され、教育水準の向上に貢献しました。1917年にはウクライナ人民共和国の一部となり、1919年には一時的に首都としての役割も担いました。しかし、1920年のポーランド・ソビエト平和条約によって、ポーランド共和国の都市となりました。1939年、ソ連の支配下に入り、リウネ州が設置され、州都となります。第二次世界大戦中はドイツ軍の占領を受けましたが、1944年にソ連軍によって奪還されました。そして1991年、ウクライナの独立に伴い、リウネは再びリウネ州の州都として、現代ウクライナにおける重要な都市として発展を続けています。

都市の特徴

2021年の国勢調査によると、リウネの人口は約245,289人です。2001年の統計では、人口の約96%をウクライナ人が占め、母語はウクライナ語が約97%とされています。

リウネは、歴史的建造物や教会も数多く残されており、観光地としても魅力的な都市です。代表的な観光スポットとして、1890年築の聖復活大聖堂や、2001年築の生神女庇護聖堂などが挙げられます。姉妹都市には、ブルガリアのヴィディン、ポーランドのザブジェ、セヴェロドネツィク、ルブリン、スロバキアのズヴォレンなどがあります。

リウネは、長い歴史と幾多の困難を乗り越え、現代ウクライナの中心都市として発展を続ける、魅力的な都市です。

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