リオハ・ワイン

リオハ (Rioja)

リオハは、[スペイン]]北部、ラ・リオハ州を中心にバスク州アラバ県、ナバーラ州にまたがるワイン産地です。スペインワインの原産地呼称制度である[[デノミナシオン・デ・オリヘン]において、最上級の「特選原産地呼称」(DOCa)に認定されています。

特徴

リオハ地方は、エブロ川流域に位置し、リオハ・アルタ、リオハ・アラベサ、リオハ・バハの3つの地区に分けられます。伝統的に、これらの地区のブドウをブレンドしてワインが造られますが、近年では単一地区のブドウを使用したワインも増えています。

リオハワインの大きな特徴は、樽熟成を経て出荷されることです。これは世界的に見ても珍しいと言えます。

リオハには、約18,000人のブドウ栽培従事者と約2,500人のワイン醸造従事者がいます。2007年から2008年のブドウ栽培面積は約63,627ヘクタールで、スペインで2番目に広い面積を誇ります。年間ワイン生産量は約2億6,506万5,000リットルに達し、そのうち赤ワインが大部分を占めています。

1991年には、スペインで初めてDOCaに認定されました。これは、リオハワインの品質の高さを示すものです。

テロワール

地勢

リオハ地方は、カンタブリア山脈の南側に位置し、エブロ川に沿った盆地にあります。エブロ川両岸の平野部、丘陵地、カンタブリア山脈に至る斜面でブドウが栽培されています。山脈は、リオハ地方を北部からの激しい風から守り、穏やかな気候をもたらします。また、この地域には、リオハの語源となったとされるオハ川が流れています。

リオハ地方は、リオハ・アラベサ、リオハ・アルタ、リオハ・バハの3地域に分けられます。リオハ・アラベサとリオハ・アルタは山地に近く、リオハ・バハよりも標高が高いため、冷涼な気候です。リオハ・バハは比較的乾燥しており温暖です。

気候

リオハ地方の西端にあるアロは西岸海洋性気候、東端にあるアルファロは地中海性気候です。リオハ全体の年平均気温は摂氏12.8-13.9度、年降水量は370-450mm、年平均日照時間は2,800時間です。ただし、降水量は地域によって大きく異なり、リオハ・アルタとリオハ・アラベサでは510mm以上、リオハ・バハでは約300mmとなります。

土壌

リオハ・アルタは粘土質、リオハ・アラベサは石灰質が多いとされています。リオハ・バハは多様な土壌が混在しています。

歴史

リオハ地方でのワイン生産は、古代フェニキア人やケルティベリア人の時代に遡ることができます。中世には、修道士たちがワイン生産の主要な担い手でした。

19世紀には、ボルドーのワイン製法が導入され、リオハワインの品質が向上しました。ルシアーノ・ムリエタ（ムリエタ侯爵）やリスカル侯爵らは、ボルドーから木製発酵槽での発酵、225リットルの小オーク樽での熟成などの技術を持ち帰り、テンプラニーリョ種を用いるリオハ・ワインの生産に応用しました。

1850年代以降にはフランスでうどんこ病やフィロキセラが蔓延した影響で、ボルドーの醸造家がピレネー山脈を越えてスペインにやってきました。アラバ県議会が招いた醸造技術者ジャン・ピノが生産技術をリオハ中に広めてワイン生産を産業化しました。

原産地呼称(DO)認定

1926年にはリオハ原産地呼称統制委員会が設立され、生産地域の制限、ワインの品質保証拡大、「リオハ」の名称管理が行われるようになりました。1991年には、リオハはスペインで初めてDOCaに認定されました。

地域

リオハ (DO)はラ・リオハ州を中心として、バスク州アラバ県、ナバーラ州の一部の地域にもまたがっています。エブロ川上流部で主にラ・リオハ州西部にあるリオハ・アルタ、行政区画としてのアラバ県域であるリオハ・アラベサ、エブロ川下流部で主にラ・リオハ州東部にあるリオハ・バハの3地域に分かれます。

リオハ・アルタ

リオハ・アルタはDOの西部にある地区であり、他地区よりも標高が高く、「旧世界」のスタイルで知られています。中心地はラ・リオハ州北西端にあるアロです。リオハ・アルタには石灰質粘土と含鉄粘土が組み合わさった土壌を持ち、テンプラニーリョ種の栽培に最適であるとされます。

リオハ・アラベサ

リオハ・アラベサはその全域がバスク州アラバ県にあり、エブロ川左岸に位置します。リオハ (DO)の中でもっとも標高の高い標高700mのラ・バスティダ地区を持ちます。近年にはバスク州政府がリオハ・アラベサのワイン生産者に対して手厚い財政的な支援を行っており、新たなワイナリーが相次いで建てられています。

リオハ・バハ

リオハ・バハはDOの東部にある地区です。リオハ・バハの中心地はラ・リオハ州東端にあるアルファロであり、地中海性気候です。リオハの中でもっとも温暖で乾燥しており、1990年代からは灌漑が許可されているものの、しばしば干ばつに見舞われます。

生産過程

リオハは赤ワインが中心であり、その他には白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインも生産しています。一般的にはいくつかの品種がブレンドされます。

リオハ (DO)で認可されているのは以下のブドウ品種です。リオハ (DO)全体のブドウ栽培面積は約60,000haであり、黒ブドウ品種が9割以上を占めています。

• - 黒ブドウ: テンプラニーリョ種、ガルナッチャ種、マスエロ種、グラシアーノ種、マトゥラナ・ティンタ種、モナストレル種
• - 白ブドウ: ビウラ種、マルバシア・リオハナ種、ガルナッチャ・ブランカ種、シャルドネ種、ソーヴィニヨン・ブラン種、ベルデホ種、マトゥラナ・ブランカ種、テンプラニーリョ・ブランコ種、トゥルンテス種

ワイン醸造

リオハワインはオーク樽での熟成によって特徴づけられます。リオハで生産されるワインのほとんどは樽熟成を経て出荷されますが、このような産地は世界的にみても珍しいとされています。

熟成区分

リオハの赤ワインは熟成期間によって4カテゴリーに分類されます。レセルバとグラン・レセルバは必ずしも毎年生産されるわけではありません。

1. (単なるリオハ): オーク樽での熟成期間が12か月に満たないもの。
2. クリアンサ: 最低24か月熟成。うち少なくとも12か月はオーク樽で熟成 (白ワイン・ロゼワインは最低24か月熟成。うち少なくとも6か月はオーク樽で熟成)。
3. レセルバ: 最低36か月熟成。うち少なくとも12か月はオーク樽で熟成 (白ワイン・ロゼワインは最低36か月熟成。うち少なくとも6か月はオーク樽で熟成)。
4. グラン・レセルバ: 最低60か月熟成。うち少なくとも24か月はオーク樽で熟成 (白ワイン・ロゼワインは最低48か月熟成。うち少なくとも6か月はオーク樽で熟成)。

生産者

スペインではワイナリーをボデガと呼びます。リオハには数多くのボデガがあり、それぞれが独自のワイン造りを行っています。

• - CVNE（クネ）
• - ボデガス・ロペス・デ・エレディア/トンドニア
• - マルケス・デ・カセレス
• - ファウスティーノ
• - マルケス・デ・ムリエタ
• - マルケス・デ・リスカル
• - ボデガス・ムガ
• - ラ・リオハ・アルタ
• - ボデガス・ロダ
• - ボデガス・ビルバイナス
• - フィンカ・アジェンデ
• - ボデガ・コンタドール – ベンハミン・ロメオ

文化

リオハは、スペイン文化とスペイン料理で重要な役割を担っています。アロでは毎年6月29日に聖フェリセス・デ・ビリビオの巡礼祭（アロ・ワイン・フェスティバル）が開催されます。フードファイトの一種であるバターリャ・デル・ビノ（ワインの戦い）で知られており、参加者はワインを掛け合って交流を深めます。

ヴィンテージチャート

リオハ原産地呼称統制委員会は1925年から各年のヴィンテージチャートを発表しています。

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