リオ・グランデ (船)

リオ・グランデ - 封鎖突破船の歴史

リオ・グランデ（Rio Grande）は、第二次世界大戦中に使用された封鎖突破船の一つであり、ハンブルクの「Hamburg-Südamerikanische Dampfschifffahrtsgesellschaft」に所属していました。この船は6062総トンの排水量を持ち、長さは476フィートと4分の3、幅は61フィートと2分の1、吃水は24フィート、速力は13ノットです。1939年1月17日にハンブルクのHowaldtswerkeで進水し、同年3月27日に竣工しました。

1940年10月31日、リオ・グランデはブラジルのリオグランデ・ド・スルを出発し、トリンダデ島とトリスタンダクーニャの間で仮装巡洋艦「トール」と合流しました。この際、補給品が「トール」へ渡され、捕虜315名がリオ・グランデに移されました。その後、11月16日に「トール」と別れ、ボルドーに向かい、12月14日にはボルドーに到着しました。

この船は15cmの砲を一門搭載しており、主に工業製品を運搬していました。12月21日にボルドーを出航し、南米のホーン岬を周りハワイとフェニックス諸島の間を通過し、12月6日に日本の大阪に到着しました。1942年1月31日には、神戸から出航しましたが、航空機の攻撃を受けるものの、幸いにも被弾はしませんでした。その後、南極圏に入り、喜望峰を回ってボルドーに戻る途中の4月10日から16日にかけてボルドーに到達しました。

ボルドーでは、燃料タンクや水タンクの増設、砲の追加が行われ、リオ・グランデは再び日本向けの貨物を積んで9月28日に出航しました。しかし、ショート サンダーランド2機の攻撃を受け、スペインのフェロルに避難しました。その後、アゾレス諸島の西を通り、喜望峰を越えてインド洋に進みました。

1942年11月28日、インド洋で他の封鎖突破船「Ramses」が捕獲される事件が起こり、そのためリオ・グランデはより安全な状況を待ってから日本の勢力圏内に向かいました。ボルネオ島とセレベス島の間を経て、12月31日に神戸に到着します。1943年1月28日には横浜を出航しますが、封鎖突破船を巡る情勢が悪化し、日本へ戻る命令が下されました。

その後、リオ・グランデは封鎖突破船として再編成され、1943年10月4日に横浜から出航します。1944年1月4日には、ブラジル沿岸550浬の地点でアメリカの軽巡洋艦「オマハ」と駆逐艦「Jouett」に発見され、自沈する運命を迎えました。生存者たちは救命艇に乗り、ブラジルへ向かいましたが、飛行船に見つかり、1月8日にアメリカ軽巡洋艦「マーブルヘッド」に救助されました。

リオ・グランデの運命は、数多くの封鎖突破船の中でも特異なものであり、その歴史は第二次世界大戦の激しい船舶戦を物語っています。彼女の乗組員たちの生存をかけた奮闘と、時局の中で生き延びるための努力が、戦争の混沌とした状況を象徴しています。

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