リサイクル機器試験施設

リサイクル機器試験施設（RETF）

リサイクル機器試験施設、略してRETFは、日本原子力研究開発機構が東海研究開発センターに設置しようとしている核燃料再処理のための研究施設です。この施設は、高レベル放射性物質を扱う研究成果を引き継ぎ、高速増殖炉の使用済み燃料を対象とする再処理技術の工学規模のホット試験を行うことを目指しています。

目的

RETFは、高速炉燃料再処理技術の実用化に向けたいくつかの技術的な課題を洗い出し、再処理機器や化学処理プロセスの高度化を進めることをミッションとしています。具体的には、使用済み燃料を用いた解体、せん断、溶解、清澄、抽出といったプロセスを新型機器で試験し、高速炉燃料再処理プロセスの技術確認や改善、さらには将来の試験プラントの建設・運転に必要な工学データを蓄積することを目的としています。

施設の概要

リサイクル機器試験施設は、鉄骨鉄筋コンクリート製で、地下2階、地上6階の構造を持ち、高さは約34m、幅は約52m、長さは約72mです。施設の中央部には大型遠隔セルが配置されており、その寸法は幅約13.5m、長さ約53.6m、高さ約22.0mで、総容積は約11,000m³に達します。この試験セル内には、30tクレーンや5tクレーン、両腕型のマニプレータ、燃料一時保管架台、解体試験機など、さまざまな試験装置が整備されています。

また、付属施設としては、管理棟や非常用発電機棟があり、充実した運営のための基盤が整っています。ここでは、「もんじゅ」炉心燃料や「常陽」ブランケット燃料を再処理対象としており、湿式再処理方式（PUREX法）を基本に、乾式再処理も検討されています。さらに、連続試験能力としては約16時間、年間処理能力は金属ウラン・プルトニウム換算で年間5トンを見込んでいます。

技術的課題

RETFでは、東海再処理施設の技術や高レベル放射性物質研究施設（CPF）の研究成果をもとに、さまざまな新しい技術を導入し、解体や処理の工程を進化させています。特に、高プルトニウム富化度燃料や高燃焼度の燃料処理には、臨界安全管理が厳しく求められ、高性能の機器が必要です。使用済み燃料の燃焼度が高まることで、高レベル廃棄物や貴金属の生成が多くなるため、従来の方法では対応が難しくなっています。

経緯

この施設の着工は1995年で、以降さまざまな設計と工事が行われてきましたが、現在も完工には至っていない状況です。今後の展開に期待が寄せられる中、リサイクル機器試験施設は日本のエネルギー政策において重要な役割を担うことが期待されているのです。

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