リジェ・JS7

リジェJS7：F1の歴史に名を刻んだ名車

1977年、F1界に新たな旋風を巻き起こしたマシン、それがリジェJS7です。リジェチームがF1初優勝を掴む礎となったこのマシンは、ジェラール・ドゥカルージュによる設計で、その後のF1マシン開発にも大きな影響を与えました。

開発：JS5を継承し、空力性能を極める

JS7は、前年モデルであるJS5のシャーシ設計をベースに開発されました。しかし、JS5を単なる改良版として終わらせることなく、空力特性の抜本的な見直しが行われました。その結果、マシン全体の空力性能が飛躍的に向上し、高速安定性とコーナリング性能が両立されたマシンへと進化を遂げました。

特徴的なのは、そのスタイリングです。スポンサーであるジタンによるブルーのボディカラーは、前年同様踏襲されましたが、フロントノーズとウイング形状がフェラーリの312Tを彷彿とさせるものだったことから「ブルー・フェラーリ」というニックネームで呼ばれることもありました。また、エンジンを30mm低重心化することで、マトラV型12気筒エンジンの515馬力という高出力を最大限に活かす設計が施されました。この設計変更は、マシンの運動性能に大きく貢献することになります。

実績：スウェーデンGPでの初優勝、そしてJS7/9への進化

1977年シーズン開幕戦アルゼンチンGPでデビューを果たしたJS7は、その後、幾多のレースを戦い抜きました。そして迎えた第8戦スウェーデンGP。ジャック・ラフィットがJS7を駆り、リジェチームにとって初のF1グランプリ優勝をもたらしました。この勝利は、チームにとって大きな自信となり、その後の発展にも大きく貢献しました。

1978年シーズンにおいては、JS7は改良型であるJS7/9へと進化を遂げます。JS7/9では、ギアボックスの変更、ホイールベースの延長、リアサスペンションの改良、燃料タンクの大容量化、フロントトレッドの拡大などが実施されました。シフト操作の軽減も図られ、ドライバーにとってより扱いやすいマシンへと仕上がりました。JS7/9はニューマシンJS9の投入後も併用され、第10戦イギリスGPまで活躍しました。JS7/9は、JS7の成功をさらに発展させ、リジェチームのF1戦線における存在感を高める上で重要な役割を果たしました。

スペック：洗練された技術の結晶

これらのスペックからも、JS7が当時最先端の技術を結集したマシンであったことが見て取れます。

まとめ：F1の歴史に刻まれた一ページ

リジェJS7は、リジェチームにとって初のF1優勝をもたらしただけでなく、その後のF1マシン開発にも大きな影響を与えた重要なマシンです。そのスタイリング、そして高いパフォーマンスは、多くのF1ファンを魅了し続け、F1の歴史にその名を刻みました。JS7/9への改良も、常に進化を追求するチーム姿勢を表しています。 このマシンは、単なるレーシングカーではなく、技術の粋と、勝利への飽くなき情熱が凝縮された、まさに伝説のマシンと言えるでしょう。

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