リチャード・ジョンソン (俳優)

リチャード・ジョンソン

リチャード・キース・ジョンソン（Richard Keith Johnson、1927年7月30日 - 2015年6月5日）は、イングランドの俳優です。

生涯とキャリア

ロンドン・ヘイヴァリング区の一部となったエセックスのアップミンスターで生を受けたリチャード・ジョンソンは、若くして演劇の道を志し、名門である王立演劇学校で演技の基礎を学びました。彼のプロとしてのキャリアは1944年、マンチェスターの舞台で幕を開けます。当時、彼は著名な俳優であり演出家であったジョン・ギールグッドに師事し、数多くの舞台作品で経験を積みました。

第二次世界大戦終結後の1945年から1948年にかけて、彼は海軍に勤務しましたが、兵役を終えると再び舞台の世界へ復帰し、その実力を培いました。1950年代に入ると、ジョンソンは活動の場を舞台から映画やテレビドラマへと広げていきます。映像作品への出演を重ねる中で、彼は様々な役柄を演じ分け、俳優としての幅を広げていきました。

特に、1963年に公開されたホラー映画の古典『たたり』（The Haunting）での主演は、彼の名を国際的に広く知らしめる重要な契機となりました。この作品での演技は高く評価され、彼の代表作の一つとして語り継がれています。その後も彼は精力的に活動を続け、ホラー、歴史劇、戦争映画、スパイアクション、コメディなど、多岐にわたるジャンルの映画やテレビ作品に出演しました。また、国際的な共同製作映画にも多数参加し、その活躍の場はイギリス国内にとどまりませんでした。

彼のキャリア後期の代表的な出演作としては、テレビドラマシリーズ「私立探偵マグナム」や「バーナビー警部」、映画『トゥームレイダー』などが挙げられます。晩年まで俳優活動を続け、2015年公開の『奇蹟がくれた数式』が遺作の一つとなりました。

私生活においては、リチャード・ジョンソンは4度の結婚と離婚を経験しています。その中で、1965年から1966年にかけての期間、アメリカの有名な女優キム・ノヴァクと結婚していたことは特筆されます。

リチャード・ジョンソンは、2015年6月5日、87年の生涯に幕を閉じました。

主な出演作品

彼の長いキャリアの中で特に知られる作品の一部を以下に挙げます。

『戦雲』(Never So Few, 1959)
『たたり』(The Haunting, 1963)
『女が愛情に渇くとき』(The Pumpkin Eater, 1964)
『クロスボー作戦』(Operation Crossbow, 1965)
『カーツーム』(Khartoum, 1966)
『キッスは殺しのサイン』(Deadlier Than the Male, 1967)
『私立探偵マグナム』(Magnum, P.I., 1981 - 1983) - テレビドラマ
『レディ・ジェーン/愛と運命のふたり』(Lady Jane, 1986)
『バーナビー警部』(Midsomer Murders, 1999 - 2007) - テレビドラマ
『トゥームレイダー』(Lara Croft: Tomb Raider, 2001)
『タロットカード殺人事件』(Scoop, 2006)
『縞模様のパジャマの少年』(The Boy in the Striped Pyjamas, 2008)
* 『奇蹟がくれた数式』(The Man Who Knew Infinity, 2015)

リチャード・ジョンソンは、舞台で培った確かな演技力と多様な役柄への挑戦を通じて、イギリス映画界およびテレビ界に貢献したベテラン俳優の一人として記憶されています。

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