リッチ・キッズ

リッチ・キッズは、1977年にグレン・マトロックがセックス・ピストルズを脱退後に結成したイギリスのニュー・ウェイヴバンドです。バンド名は、マトロックが敬愛するジャン・コクトーの著作の一節から引用されました。

結成の経緯

セックス・ピストルズ時代、ジョニー・ロットンとの確執やマルコム・マクラーレンの意向に反する形でバンドを離れたグレン・マトロックは、ギタリストの"ジミー・ノートン"と共に新たなバンド、リッチ・キッズを結成します。当初のメンバーは、マトロック、後にヴィサージに参加するラスティ・イーガン（ドラムス）、そして短期間セックス・ピストルズに在籍し、後にパブリック・イメージ・リミテッドに参加するスティーヴ・ニュー（ギター）でした。ザ・クラッシュのミック・ジョーンズもライヴサポートとして参加しました。

"ジミー・ノートン"は、マトロックが思い描く架空の人物像であり、ボーカル、ギター、ソングライティングをこなせる人物でした。人選は難航しましたが、最終的に元スリックのミッジ・ユーロが加入し、EMIとの契約に至ります。

デビューから解散まで

1978年1月、シングル「Rich Kids」でデビューし、全英24位を記録。その後、「Marching Men」（B面はスモール・フェイセスのヒット曲「ヒア・カムズ・ザ・ナイス」）、「Ghosts Of Princes In Towers」とシングルをリリース。同年8月には、唯一のアルバム『王子の幻影（Ghosts Of Princes In Towers）』（全英51位）を発表しました。このアルバムはミック・ロンソンがプロデュースを担当し、レコーディングにも参加。イアン・マクレガンもピアノでゲスト参加し、一時ツアーにも同行しました。

しかし、セカンドアルバムのデモテープ制作段階で、マトロック、ニューとユーロ、イーガンの音楽性の違いが表面化し、メンバー間の緊張が高まります。その結果、1978年12月にバンドは活動を停止し、1979年6月に正式に解散を表明しました。

解散後

マトロックはスペクターズを結成後、イギー・ポップやロンドン・カウボーイズなどに参加。ユーロとイーガンはスティーヴ・ストレンジに接近し、ヴィサージに加入。ユーロは平行してウルトラヴォックスのメンバーとしても活動しました。

一夜限りの再結成

2010年1月、末期癌に侵されたスティーヴ・ニューを支援するため、ロンドンで一夜限りの再結成ライヴが行われました。しかし、その4ヶ月後の5月24日、ニューは50歳という若さでこの世を去りました。

作品

アルバム

王子の幻影 - Ghosts Of Princes In Towers（1978年）
Best of the Rich Kids（2003年）

シングル

Rich Kids（1978年）
Marching Men（1978年）
* Ghosts Of Princes In Towers（1978年）

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