リトアニア人民族主義連合

リトアニア人民族主義連合：権威主義体制下の与党

リトアニア人民族主義連合（Lietuvių tautininkų sąjunga、略称: LTS）は、リトアニアにおける民族主義政党でした。1924年に民族進歩党とリトアニア農耕連合が合併して誕生し、当初は議席獲得に苦戦しましたが、1926年のクーデターを機に、アンターナス・スメトナ大統領の権威主義体制下で与党としての地位を確立しました。

権威主義体制の確立

クーデター後、スメトナは大統領に就任し、アウグスティナス・ヴォルデマラスを首相とする新政権が樹立されました。スメトナは議会を解散し、ヴォルデマラスは準軍事組織「鉄の狼」を設立するなど、権力基盤を強化しました。その後、スメトナはヴォルデマラスを解任し、義兄弟であるユオザス・トゥーベリスを首相に任命しました。

1928年と1938年に制定された新憲法によって独裁体制が確立され、政治的反対派は徹底的に弾圧されました。1936年の選挙では他の政党が禁止され、リトアニア人民族主義連合は唯一の合法政党として君臨しました。1930年代には、イタリアのファシズムに接近し、より急進的な思想を持つようになりました。

解散と再結成

ドイツによるクライペダ割譲要求を受け入れたことで政治的危機に陥り、野党勢力を閣僚に迎えざるを得なくなりました。しかし、その状態も長くは続かず、1940年にソビエト連邦がリトアニアを併合したことで、リトアニア人民族主義連合は解散を余儀なくされました。

1990年、同名の政党が再結成され、戦間期のリトアニア人民族主義連合の後継政党を自称しています。2017年からはリトアニア人民族主義共和党と名を変え、現在も活動を続けています。

リトアニア人民族主義連合は、リトアニアの政治史において、権威主義体制を確立した政党として重要な位置を占めています。その歴史は、リトアニアの政治的変遷を理解する上で不可欠な要素と言えるでしょう。

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