リトアニア銀行

リトアニア銀行について

リトアニア銀行（Lietuvos Bankas）は、リトアニアの中央銀行であり、1990年に設立されました。この銀行は、独立したリトアニアの経済を支える役割を担っており、ソビエト連邦時代の国立銀行リトアニア支部の機構や資産を引き継いでいます。バンク本店はリトアニアの首都ヴィリニュスに位置し、当初はリタスという通貨の安定に努めていましたが、2015年にリトアニアがEUの単一通貨ユーロの導入を決定したことで、その主要な役割は変わりました。現在、リトアニア銀行は欧州中央銀行制度の一員として活動しています。

銀行の歴史

リトアニアの中央銀行の歴史は1768年にまで遡り、当時のセイムによってポーランド・リトアニア銀行の設立が決定されました。ただし、実際に設立されたのは1792年であり、この銀行はヴィリニュス、グロドナ、ミンスクに拠点を持っていました。しかし、革命やポーランドの分割により、リトアニア共和国は独立を失い、独自の金融政策を行うことができなくなりました。

1918年にリトアニアが再び独立を宣言したものの、しばらくの間は通貨発行銀行が存在しませんでした。そのため、初めての通貨としてライヒスマルクが承認されることになりましたが、1922年には中央銀行としてリトアニア銀行の設立が法律によって定められ、独自通貨であるリタスが導入されました。この時、銀行の形態は株式会社となり、資本金は1200万リタス、80%が政府によって保有されることが決まりました。

1990年に再設立されたリトアニア銀行は、ソビエト連邦の解体後、独立前の形態を復元しました。1990年から1992年まではロシア・ルーブルが使用されていましたが、その後、暫定通貨タロナが導入されました。1993年にはリタスが再導入され、100%に達したインフレーションを収束させ、安定した通貨として定着しました。2020年には、世界初となるCBDC（中央銀行デジタル通貨）であるLBCoinを発行しました。

主な業務

リトアニア銀行の主な業務は以下の通りです：

• - 物価の安定を維持すること
• - 通貨リタスの発行
• - 金融政策の策定及び実施
• - リタスの相場の決定と発表
• - 国庫管理の代行

これらの業務を通じて、リトアニア銀行はリトアニアの経済を支えています。

銀行の運営

リトアニア銀行は、総裁と2人の副総裁、そして2人の委員から成る理事会により運営されています。行内には、経済、統計、市場操作、金融監督、国際関係、決済システムなど11の部局と、内部監査や法務などの独立した部署が存在し、カウナスとクライペダにも支店を構えています。

ユーロ導入への道のり

リトアニアは2004年に、エストニアとスロベニアと共に欧州為替相場メカニズムに加入し、2007年1月1日のユーロ導入を目指しましたが、インフレーション率が基準をわずかに超過したため、その導入は延期されました。その後、2010年にユーロ導入を目指すこととなりました。

まとめ

リトアニア銀行は、独自の金融政策を持つ重要な機関であり、リトアニア経済の安定に不可欠な存在です。その歴史は長く、数世代にわたって国の経済を支えてきました。特に、ユーロの導入やCBDCの発行など、近年の取り組みは国際的に注目されています。

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