リトルリーグ・ベースボール・ワールドシリーズ

リトルリーグ・ワールドシリーズとは

リトルリーグ・ワールドシリーズ（LLBWS）は、9歳から12歳までの少年野球チームが参加する、世界規模のトーナメント大会です。毎年8月にアメリカ合衆国ペンシルベニア州サウスウィリアムズポートで開催され、文字通りリトルリーグの世界一を決定します。かつては「ナショナル・リトルリーグ・トーナメント」と呼ばれていましたが、メジャーリーグベースボールのワールドシリーズに倣い、現在の名称に改められました。

大会の歴史と概要

1947年に創設されたこの大会は、当初アメリカ国内のチームのみが参加していました。1952年にカナダ、1957年にメキシコが参加して以降、国際的な大会へと発展しました。現在では、世界中のリトルリーガーたちが憧れる舞台となっています。特にアメリカ国内では、試合がESPNで放送されるなど、高い人気を誇ります。

2006年には年齢制限が変更され、以前は8月1日だった13歳になる期日が5月1日に変更されました。大会は8月に行われるため、出場選手の多くが13歳になっています。

2020年には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会が中止となりました。2021年は、パンデミック対策としてアメリカ国内のチームのみで開催されました。

大会フォーマット

大会は、アメリカ国内の代表8チームと、アメリカ国外の代表8チームが参加します。アメリカ国内のチームは、国内の各地区予選を勝ち抜いたチームで構成され、国外のチームは、日本、アジア・オセアニア・中東、カナダ、ラテンアメリカ、カリブ海、メキシコ、ヨーロッパ・アフリカ、オーストラリアの代表で構成されます。

これらの16チームが、2つのグループに分かれて予選リーグを戦い、各グループの1位同士が決勝で対戦し、世界一の座を争います。試合は全試合ダブルイリミネーション方式で、敗者にも再挑戦の機会が与えられます。

2010年までは、4つのグループに分かれてリーグ戦を行い、その後決勝トーナメントで勝敗を決めていました。各地区の優勝チームが、総合優勝をかけて戦う形式でした。

決勝戦を含め、全試合で4回または5回終了時に10点差以上がついた場合、コールドゲームが成立します。

日本代表チームの活躍

日本代表は、1962年に初めてリトルリーグ・ワールドシリーズに出場しました。2006年までは、極東地区（後にアジア地区に改称）として参加し、全日本リトルリーグ選手権の優勝チームが、アジア・太平洋予選のアジア地域で優勝する必要がありました。2007年以降は、日本がアジア・太平洋のカテゴリーから独立し、全日本選手権の優勝チームが自動的にワールドシリーズへの出場権を得られるようになりました。

2015年までに、日本代表は23回ワールドシリーズに出場し、1967年、1968年、1976年、1999年、2001年、2003年、2010年、2012年、2013年、2015年の10回優勝を果たしています。

大会で使用される球場

リトルリーグ・ワールドシリーズの試合は、ペンシルベニア州サウスウィリアムズポートにあるハワード・J・ラメイadeスタジアムとリトルリーグ・ボランティア・スタジアムで行われます。どちらの球場も、ホームベースから外野までの距離が68.6メートルで、左右対称のフェンスが設置されています。

1959年からはラメイadeスタジアムが使用されていましたが、2001年からは出場チーム数が16に増加したため、リトルリーグ・ボランティア・スタジアムも使用されるようになりました。1959年以前は、ウィリアムズポートの西4番通りにあるオリジナル・リトルリーグの球場が使用されていました。

全ての試合は入場無料ですが、人気が高いため、観戦チケットは抽選で配布されます。ラメイadeスタジアムには、フェンスの外側に犬走りがあり、全体で45,000人を収容できます。

テレビ・ラジオ中継

1963年にABCスポーツ（現ESPN on ABC）で初めてリトルリーグ・ワールドシリーズの放送が開始されました。当初は優勝決定戦のみの放送でしたが、トーナメント方式の変更に伴い、準決勝も放送されるようになりました。その後、ABC、ESPN、ESPN2でより多くの試合が放送されるようになり、2006年には36試合中28試合がこれらの局で放送されました。

現在では、ESPN、ESPN2、ABCで全試合が生中継または録画放送されています。また、多くの試合が高精細度テレビジョン放送で放送されるようになりました。ワールドシリーズの試合の多くは、クリア・チャンネルが所有するローカル・ラジオ局1400AM WRAKで生中継されます。日本では、J SPORTSで録画放映されています。

著名な出場者

リトルリーグ・ワールドシリーズは、数多くのプロ野球選手を輩出してきました。ジム・バビエリ、ジェイソン・ベイ、陳金鋒、トッド・フレイジャー、カーネイ・ランスフォード、ジェイソン・マーキー、ラスティングス・ミレッジ、ゲイリー・シェフィールドなど、MLBで活躍した選手たちが、かつてリトルリーガーとしてこの大会に出場していました。

日本人選手では、荒木大輔、亀山努、松本剛、清宮幸太郎などが、リトルリーグ・ワールドシリーズに出場しています。特に清宮幸太郎は、2012年の大会で優勝し、投打にわたる活躍で「和製ベーブ・ルース」と評されました。

リトルリーグ・ワールドシリーズは、未来のスター選手たちが夢を抱き、世界に羽ばたくための第一歩となる舞台です。

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