リベラルタ

ボリビア、ベニ県の都市リベラルタ

リベラルタは、ボリビアのベニ県北部に位置する都市です。アマゾン川の流域にあり、ブラジルとの国境にほど近い場所に位置しています。人口は約8万人。

日本人移住の歴史

1908年頃、ペルーから50～150人程度の日本人がリベラルタに移住しました。当時、天然ゴムの需要が高く、移住者の多くはゴム採取やゴム工場での労働に従事しました。最盛期には、1000人以上の日本人がリベラルタとその周辺に住んでいたとされています。

しかし、天然ゴムの需要低下とともに、町の繁栄は衰退。さらに、第二次世界大戦によって、連合国側であったボリビア国内での日本人の立場が悪化し、日本人社会は急速に縮小しました。

現在、リベラルタには日本人の顔立ちをした人や、日本の名字を持つ人も少なくありませんが、日本語を話し、日本の風習で生活する人はごく少数です。この点は、同じボリビアの日本人移住地であるオキナワ移住区やサンフアン・デ・ヤパカニ移住区とは大きく異なります。

オキナワやサンフアン・デ・ヤパカニは、戦後に移住した人々が作った村であり、日本政府の積極的な援助や、農業の成功により、日本人としてのアイデンティティを持って生活している日系人が多くいます。

現在の日系人の状況

現在、リベラルタに住む日系人は、肉体労働者や家政婦が多く、専門職に就いている人は少ない傾向にあります。そのため、経済的に恵まれていない人が多いのが現状です。

日本の高度経済成長期には、リベラルタの日系人の多くが日本へ出稼ぎに行きました。第二次世界大戦の混乱期に日系人であることを証明する書類を失ってしまった人も多くいましたが、証明できた人は、工場などで単純労働に従事し、なんとか渡航費用を工面して働きに行きました。

日本で数年働いてお金を貯め、リベラルタに戻ってラジオ局を開設した人もいたそうです。

近年の取り組み

近年は、国際協力機構（JICA）の援助が多く入り、青年海外協力隊や日系社会シニアボランティアなどが日本語教育などの活動を行っています。

1999年には、日本ボリビア文化協会が日本人移住100周年記念の日本祭を開催するなど、日系人としての活動を活発化させる動きも出てきています。

リベラルタの日系人の歴史は、天然ゴム産業の隆盛と衰退、戦争の影響、経済的な苦境など、様々な要因が絡み合っています。しかし、近年は国際協力機構の支援や、日系人自身による文化活動などを通して、新たな展開を見せ始めています。

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