ベニ県

ベニ県：ボリビア北東部の自然豊かなる大地

ベニ県は、ボリビアの北東部に位置する県で、8つの郡から構成されています。県都はトリニダ市。リベラルタやマグダレナなどの主要な町があります。北東はブラジルと国境を接し、南はコチャバンバ県、西はパンド県とラパス県、南東はサンタクルス県に隣接しています。

地理と生態

ベニ県の地形は多様で、南西端にはアンデス山脈の東端がかかり、標高約1,500mの山地が広がります。しかし、県土の大部分はアマゾン川上流地域に位置し、標高400m以下の低平な土地が広がっています。年間降水量は1,000mmから2,000mmに達し、熱帯雨林が県土を覆っています。

ベニ県は、アマゾン、グランチャコ、カンポ・セハードという3つの異なる生態地域にまたがっており、多様な動植物が生息しています。イペ、マチェリアム属、スナバコノキ、ホンジュラスマホガニーなどの熱帯樹木が生い茂り、マトラルやサバナの景観も見られます。県内にはモンキヨコクビガメなどの希少な生物も生息しており、その豊かな生態系が評価され、1986年にユネスコの生物圏保護区に指定されました。

歴史と文化

20世紀初頭、ベニ県は天然ゴムの生産で重要な役割を果たしましたが、近年は主要な産業に恵まれず、経済的に苦しい状況にあります。しかし、農業、特に肉牛の飼育を中心とした畜産業が盛んに行われています。

トリニダ市をはじめとする県内の多くの町は、17世紀頃にキリスト教の布教のために建設されました。そのため、現在も古い教会が数多く残っており、歴史的な景観を保っています。また、県北部のリベラルタには、日本からの移民が多く住んでいます。

食文化も特徴的で、この地域ではキャッサバ（ユカ）が主食として広く食べられています。茹でたり、焼いたり、揚げたりしたキャッサバは、ほぼ毎日の食卓に上ります。

政治と社会

ベニ県はボリビア国内では比較的豊かな地域とされています。2000年代に入り、サンタクルス県などと同様に、地方自治の拡大を目指して自治憲章の制定を試みました。2009年の新憲法に対する国民投票では、ボリビア西部の県とは異なり、反対票が多数を占めました。

隣接する地域

ロンドニア州（ブラジル）
サンタクルス県
コチャバンバ県
ラパス県
* パンド県

ベニ県の郡

ベニ県は8つの郡（provincia）に分かれており、各郡はさらに市町村（municipio, cantón）に細分化されています。

ベニ県は、その豊かな自然と多様な文化が魅力の地域です。アマゾンの奥深さを体験しに、ぜひ一度訪れてみてください。

もう一度検索