リボー

伝説的名馬リボー：16戦無敗の軌跡と不滅の遺産

リボー(1952年～1972年)は、20世紀を代表するイタリアの競走馬にして種牡馬です。平地競走が盛んではないイタリアにおいて、16戦無敗という驚異的な記録で凱旋門賞を連覇、20世紀イタリアのスポーツ選手トップ4にランクインするなど、国民的な英雄となりました。その生涯は、数々の伝説と、人々との深い絆に彩られています。

скромное начало：小さな巨人、リボーの誕生

1952年、リボーはイギリスのナショナルスタッドで誕生しました。父テネラニ、母ロマネラはいずれもイタリアの馬産家、フェデリコ・テシオ氏の生産馬。テシオ氏は、テネラニとロマネラの交配をイギリスで行った後、リボーが誕生するとすぐにイタリアに送り返しました。そのため、リボーの血統や関係者はイタリア色が濃いものの、生産国はイギリスとなっています。

幼少期のリボーは体格が小さく、「イル・ピッコロ」(イタリア語で「ちびっこ」の意)と呼ばれていました。しかし、テシオ氏は彼の潜在能力を見抜き、「将来、偉大な馬になる」と予言しました。残念ながら、リボーがデビューする2ヶ月前にテシオ氏は亡くなり、侯爵が所有者を引き継ぎました。

デビュー戦では、ベテラン厩務員マリオ・マルチェシが担当。マルチェシはリボーの賢そうな顔立ちと、根性を感じ、彼を気に入り、やがて二人には特別な絆が生まれました。

輝かしい現役時代：凱旋門賞連覇と圧巻の勝利

1954年7月にデビューしたリボーは、2歳時に2連勝。3歳時には、クラシック登録がないため目標を凱旋門賞に定め、ステップレースを圧勝し、初参戦の凱旋門賞を制しました。わずか2週間後にはイタリアの大レースでも圧勝し、その名を世界に知らしめました。

4歳時、リボーはイタリアの主要レースを次々と制覇。イギリスでの評価が低かったためイギリス遠征を決断し、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを圧勝。凱旋門賞2連覇では、海外からの強豪馬を相手に、圧倒的な強さで勝利しました。そのレースぶりは「発射台から打ち出されたミサイル」と形容され、伝説として語り継がれています。

種牡馬としての成功：世界中に広がるリボーの血脈

引退後、種牡馬となったリボーは、イギリス、イタリアを経て、高額なリース契約でアメリカへ渡りました。アメリカでは環境の変化や年齢からか性格が変わり、扱いづらくなったため、イタリアへの帰還は叶いませんでした。

リボーの産駒は世界中で活躍し、特にヨーロッパでその能力を発揮しました。勝ち馬率は約60%、イギリスでのアーニングインデックスは10近くに達するなど、種牡馬としても成功を収めました。彼の血統は、後の凱旋門賞連覇馬アレッジドなど、数々の名馬を生み出しました。

エピソードと評価

リボーは、マルチェシとの友情、引退式でのいたずら、アメリカへの移籍時の騒動など、数々の逸話で知られています。

イタリアでは、20世紀最高の競走馬として評価され、20世紀イタリアのスポーツ選手ランキングでも上位にランクインしました。タイムフォームによるレーティングでも、20世紀トップクラスに位置付けられています。

結び

リボーの生涯は、才能、努力、そして人との絆によって彩られた、まさに伝説そのものです。彼の記録、そしてその血脈は、今もなお競馬界に大きな影響を与え続けています。彼の物語は、これからも多くの人々に感動と勇気を与え続けるでしょう。

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