リマンド

リマンド：日本競馬史に名を刻んだ種牡馬

リマンドは、イギリスで競走馬として活躍後、種牡馬として日本へ輸出された馬です。イギリスでは重賞競走で4勝を挙げ、将来を嘱望される存在でしたが、エプソムダービーでは4着に敗れるなど、G1競走制覇には届きませんでした。競走馬としては10戦6勝という成績を残し、骨折による長期休養を挟みながらも、重賞勝利を積み重ねました。4歳秋の凱旋門賞では7着という結果に終わり、競走馬生活に幕を閉じました。

しかし、彼の真価は種牡馬として発揮されます。1969年に日本へ輸出され、翌年から種牡馬生活を開始。当初は地方競馬の活躍馬を多く輩出していましたが、1978年にタマモアサヒが阪神3歳ステークスを制覇すると、状況は一変します。翌1979年にはアグネスレディーが優駿牝馬（オークス）を制し、続く1977年にはオペックホースが東京優駿（日本ダービー）を制覇するなど、クラシック競走の優勝馬を次々と輩出するようになりました。

リマンド産駒の活躍は留まることを知りません。1980年にはテンモンが朝日杯3歳ステークスと優駿牝馬を制し、その年の最優秀3歳牝馬、そして翌年には最優秀4歳牝馬に輝きました。さらに、1980年にはミスターシービーのライバルとして知られたメジロモンスニー、そして大井の三冠馬サンオーイといった名馬も輩出しました。

リマンドの成功は、その距離適性の幅広さ、特に長距離適性にあると言えるでしょう。彼の血を受け継いだメジロデュレンやメジロマックイーンは、名だたる長距離競走で数々の勝利を収めました。さらに、アグネスレディーは繁殖牝馬としても優秀で、桜花賞優勝馬アグネスフローラを産み出しました。アグネスフローラの産駒であるアグネスフライトやアグネスタキオンは、リマンドの血を現代へと繋いでいます。

しかし、1984年春、種牡馬として最盛期を迎えていたリマンドは、種付け中に心臓発作で急死しました。享年19歳でした。彼の突然の死は、日本の競馬関係者に大きな衝撃を与えました。しかし、その死後も、彼の遺伝子は数々の名馬を生み出し続け、日本競馬の発展に大きく貢献しました。

リマンドの主な産駒には、グレイトファイター（小倉大賞典）、シタヤロープ（全日本3歳優駿など）、ライバフット（京王杯オータムハンデキャップ）、アグネスレディー（優駿牝馬、京都記念など）、タマモアサヒ（阪神3歳ステークス）、オペックホース（東京優駿）、テンモン（朝日杯3歳ステークス、優駿牝馬など）、メジロモンスニー（シンザン記念、高松宮杯）、サンオーイ（羽田盃、東京ダービーなど）、タレンティドガール（エリザベス女王杯）などが挙げられます。

リマンドの父は、セントレジャーステークスやキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制したアルサイドです。アルサイドの父であるアリシドンはイギリスの長距離三冠馬であり、リマンドの血統には長距離への適性が色濃く受け継がれていました。リマンドの半妹リビュークの仔には、イギリスとフランスで重賞2勝を挙げたタンネンベルクがいます。

このように、リマンドは競走馬としてはG1勝利には届きませんでしたが、種牡馬として類まれな成功を収め、日本の競馬界に多大な影響を与えた偉大な馬と言えるでしょう。彼の血統は、現在でも日本の競馬界にその影響を及ぼし続けています。 彼の死後も生まれた産駒、タレンティドガールが1987年にエリザベス女王杯を制覇するなど、その血統の力は衰えることはありませんでした。彼の功績は、日本の競馬史に永遠に刻まれることでしょう。

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