リュウビンタイ科

リュウビンタイ科（Marattiaceae）について

リュウビンタイ科は、シダ植物門に属する分類群で、一般的に大型の常緑性シダとして知られています。この科の植物は主に熱帯や亜熱帯の森林に生息しており、特に日本では本州の南岸やその周辺で見かけることができます。この地域には2属5種のリュウビンタイ科の植物が自生しており、特徴的な複葉を持っています。

概説

リュウビンタイ科は、ハナヤスリ類とともに「真嚢シダ類」として分類されることが多いです。この名称は、胞子嚢が複数の細胞に由来し、複数層で包まれていることから来ています。それとは異なり、薄嚢シダ類と呼ばれるグループは、胞子嚢が単一の細胞層で包まれています。現存するリュウビンタイ科の植物は、Angiopteris（リュウビンタイ属）、Christensenia、Danaea、Marattia（リュウビンタイモドキ属）の4つの属に分かれており、そのほかにも多くの化石種が知られています。

下位分類

リュウビンタイ属は、オセアニアからマダガスカルにかけて広く分布しており、その葉は羽状複葉であり、特に大きなものは長さが9メートルに達することもあります。日本では、リュウビンタイ（Angiopteris lygodiifolia）が本州南岸（特に伊豆半島以南）から台湾にかけて自生しており、観賞用として栽培されることもあります。

一方、リュウビンタイモドキ属は熱帯地域に特に分布し、山地の環境に適応しています。この属の植物は球状の地下茎を持ち、食用として利用されることもあります。具体的にはリュウビンタイモドキ（Marattia boninensis）が小笠原諸島に自生しています。

また、Christensenia属は東南アジアに分生し、掌状の複葉が特徴です。Danaea属は熱帯アメリカに自生し、特有の2回羽状複葉を持っています。また、この属の植物は栄養葉とは別に胞子葉を生成する点が特徴的です。

系統

リュウビンタイ科の系統関係については、2006年の研究による系統樹が参考になります。この系統樹によれば、シダ植物門の中で、まずマツバランとハナヤスリの群が基底で分岐し、その後トクサ類とリュウビンタイ科が残りのシダ植物のほとんどに対して姉妹群となっています。このため、リュウビンタイ科は独立した目および綱として扱われることが多いです。

参考文献

リュウビンタイ科に関する詳しい情報は、多くの文献で記載されています。特に、Pryer et al.（2004）や、Smith et al.（2006）の研究がこの分野の理解を深める助けとなります。

このように、リュウビンタイ科は独特な形態と生態を持つシダ植物群であり、今後の研究や保護の重要性が高まっています。

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