袴田里見

袴田里見について

袴田里見（はかまだ さとみ、本名：袴田幸子）は、1904年8月11日に青森県上北郡下田村（現在のおいらせ町）で生まれました。彼女は大正から昭和にかけての社会運動家として、日本共産党の幹部として活躍しました。彼の政治活動は、戦前の非合法政党での活動から始まり、戦後は党副委員長に就任するまで多岐にわたりましたが、1977年に党から除名される经历がありました。彼女の活動と影響を探ることで、日本の政治の歴史をより深く理解することができます。

初期の教育とキャリア

袴田は、1919年に高等小学校を卒業後、東京に移り住みました。攻玉社中学に入学しますが、中退し、その後、電信労働者や製缶工として働きながら、労働運動に関わるようになりました。特に、東京合同労働組合に加入してからは、労働者の権利のための活動を本格的に始めます。

ソビエト連邦での学び

1925年、袴田はソビエト連邦に渡り、モスクワの東方勤労者共産大学（クートヴェ）で学びます。1927年にはソ連共産党に入党し、1928年にクートヴェを卒業して帰国。袴田は、宮本顕治と共に日本共産党の再建に取り組みます。ですが、その活動が治安維持法に抵触し、逮捕・服役することとなります。

日本共産党での活動

1932年に釈放された後、袴田は地下活動を続け、東京市委員として活躍。その後、1933年には日本共産党中央委員に選出され、1935年には再び逮捕されます。この時の逮捕の際には「最後の大物」と称され、彼の非転向の姿勢が注目されました。1945年には再び共産党員として釈放され、中央委員や政治局員として党の運営に関与します。

党内の波乱

1950年、コミンフォルム批判を機に党が分裂し、袴田は国際派に所属します。その後、中国の北京へ極秘出国し、モスクワではスターリンとも対面。彼は党の新綱領の討議には参加せず、自己批判書を提出することになります。1955年には、党の武装闘争路線を修正する六全協の決議文作成にも携わっています。

除名とその後の活動

1977年には党拡大路線について宮本顕治の方針を批判し、党員権の制限を受け、その後、党や宮本に対する攻撃を展開します。これにより10月の党大会で除名処分を受けることとなります。その後も彼から発表された手記や著書は大きな話題を呼びました。特に『昨日の同志宮本顕治へ』や『私の戦後史』などは反共層を中心に注目されました。

家族と遺産

袴田の弟である陸奥男はソ連に亡命した日本共産党員であり、青山学院大学教授の袴田茂樹とロシアの政治家イリーナ・ムツオヴナ・ハカマダは彼の子供たちです。1988年には、共産党所有の家屋の明け渡しを巡る裁判で法廷に立つことになり、最終的には最高裁判所で敗訴します。1990年に死去した後も、彼の活動は多くの政治的議論の対象となっています。特に、彼と野坂参三との関係が明らかになるとともに、日本共産党の内部事情が注目を浴びました。

袴田里見の生涯は、波乱に満ちた政治活動の歴史を映し出しています。彼の行動や意見は、日本共産党の方針や方針変更に大きな影響を与え、今なお多くの人々に影響を及ぼしているのです。

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