リンバ族 (シエラレオネ)

リンバ族について

リンバ族（Limba）は、シエラレオネに住む民族で、同国の総人口の約12.4%を占め、第三の大きさを誇る集団です。主に国の北部に集中しており、特にボンバリ、コイナドゥグ、トンコリリの各地区や、カンビア、カレネといった北西部州にも広がっています。また、隣国ギニアにはごく少数のリンバ族が存在します。

リンバ族は、シエラレオネの最古の先住民の一部とされ、独自の言語を話すことが特徴です。この言語は他のシエラレオネの言語と直接の関係がないため、彼らの文化的アイデンティティは非常に独特です。

歴史的背景

18世紀までさかのぼる歴史の中で、リンバ族は多くの人々が奴隷として北アメリカに輸送される過程も経験してきました。特に16世紀から18世紀の間に、彼らは多数が船で輸送され、新たな生活を余儀なくされたのです。さらに、イギリスによる植民地時代には、多くのリンバ族が首都フリータウンやその近郊の西部地域に移動しました。その影響により、現在でも多数のリンバ族がこの地域に居住しています。

社会構造と経済活動

リンバ族は主に米作農民、交易者、狩猟者として知られています。彼らはシエラレオネの北部州に広がるサバナや疎林地域で生活し、自給自足の生活を営んでいます。また、シエラレオネには190以上の非都市地域がありますが、そのうち16カ所ではリンバ族が顕著な人口を持っており、彼らのコミュニティはパラマウント・チーフと呼ばれる伝統的な指導者によって統治されています。

主要な町には、バフォーディア、カバラ、カマクウィ、ビンコロなどがあります。これらの町では、リンバ族の文化と伝統が色濃く反映されています。

文化と伝統

リンバ族は、少女の成人過程において「ボンド」（Bondo）と呼ばれる秘密結社を通じた教育を行っています。この組織は、少女に生殖能力、道徳、適切な性的礼儀作法についての知識を提供し、しっかりとした態度を確立することを目的としています。この教育は、少女の生涯を通じた福祉にも関心を寄せており、彼女たちの社会的地位の向上を目指しています。

このようにして、リンバ族は自身の文化を守りながら、社会の中で重要な役割を果たしています。彼らの独自性と歴史、伝統文化は、シエラレオネの多様な民族の中でも特に際立つものであり、今後もその影響力を保持していくことでしょう。

もう一度検索