リヴ・フォーエヴァー

クイーンの不朽の名曲「リヴ・フォーエヴァー」：誕生から世界へ

1986年、イギリスのロックバンド、クイーンによって世に送り出された「リヴ・フォーエヴァー」(Who Wants to Live Forever)は、彼らの代表曲の一つとして長く愛され続けています。映画『ハイランダー 悪魔の戦士』の劇伴として書き下ろされたこの曲は、単なる映画音楽の枠を超え、クイーンの音楽性を象徴する作品として高い評価を獲得しました。

曲の誕生と制作

作曲を手掛けたのはブライアン・メイです。彼は映画のヘザーの死のシーンのラフカットを鑑賞した後、その感動からインスピレーションを受け、車の後部座席でこの曲を書き上げたと言われています。このエピソードからも、この曲に込められた深い感情が読み取れます。

特徴的なのは、クイーンの楽曲としては初めてオーケストラが導入されている点です。ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団の協奏を得て、オーケストラ編曲はブライアン・メイとマイケル・ケイメンの共同作業によって実現しました。オーケストラとロックサウンドの融合は、楽曲に壮大でドラマチックな雰囲気を与えています。

また、ブライアン・メイが当時最新のシンセサイザー、YAMAHA DX7を使用している点も注目に値します。ライブパフォーマンスでは、前半はギターを演奏せずにDX7を演奏する場面も見られ、楽曲におけるシンセサイザーの役割の重要性を示しています。

多様な展開と評価

「リヴ・フォーエヴァー」は、その美しいメロディーとドラマチックな展開から、ボーカルコンテストの課題曲としてアメリカンアイドル等で長年使用されています。幅広い層に支持されている証拠と言えるでしょう。

12インチ盤には、ピアノ・インストゥルメンタル・ヴァージョン「フォーエヴァー」も収録されており、楽曲の異なる側面を楽しむことができます。このバージョンはライブでも演奏され、『ラストツアー/クイーン1986』といったDVD作品にも収録されています。さらに、ベストアルバム『グレイテスト・ヒッツII』にも収録されており、クイーンの代表曲として広く認知されていることが分かります。

2018年公開の映画『ボヘミアン・ラプソディ』でも使用され、そのサウンドトラック盤にも収録されているなど、現代においてもその人気は衰えることを知りません。ローリング・ストーン誌が発表した「10 Greatest Queen Songs」では5位にランクインしており、その音楽的価値の高さが改めて証明されています。

プロモーションビデオとメンバー

メンバーが登場するプロモーションビデオも制作され、ジョン・ディーコンがコントラバスを演奏する姿も見ることができます。この映像は『グレイテスト・ビデオ・ヒッツ2』などで視聴可能です。

リードボーカルはフレディ・マーキュリーが担当し、ブライアン・メイはリードボーカルとバッキングボーカルに加え、シンセサイザー、エレクトリックギター、オーケストラ編曲も担当しています。ロジャー・テイラーはドラムマシンとバッキングボーカル、ジョン・ディーコンはコントラバスを担当。マイケル・ケイメンはオーケストラ編曲と指揮者を務め、ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団がストリングス、ブラス、パーカッションを担当しています。

多彩なカバー

「リヴ・フォーエヴァー」は、数々のアーティストによってカバーされています。Shirley Bassey、Dune、サラ・ブライトマン、ルチアーノ・パヴァロッティ、キャサリン・ジェンキンス、イル・ディーヴォなど、様々なジャンルのアーティストがそれぞれの解釈でこの曲を歌い上げています。これらカバーバージョンからも、この楽曲の普遍的な魅力と可能性の高さが伺えます。

「リヴ・フォーエヴァー」は、クイーンの音楽性と才能、そして映画とのコラボレーションが奇跡的に結びついた、まさに不朽の名曲と言えるでしょう。その美しいメロディーと壮大なサウンドは、これからも多くの人々の心に響き続けることでしょう。

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