リーカウント

リーカウント：ケンタッキーダービー制覇と種牡馬としての成功

リーカウント(Reigh Count、1925年-1948年)は、アメリカ競馬史に名を刻むサラブレッド競走馬であり、優れた種牡馬としても知られています。バージニア州で生まれ、数々の競走で勝利を収め、1928年のケンタッキーダービー制覇という栄光を手にしました。さらに、イギリス遠征でもコロネーションカップ優勝とアスコットゴールドカップ2着という好成績を残し、その名を世界に知らしめました。晩年は種牡馬として活躍し、数々の優秀な競走馬を輩出、アメリカ競馬殿堂入りを果たすなど、その功績は計り知れません。

華々しい競走馬時代

リーカウントは、著名なオーナーブリーダーであるウィリス・シャープ・キルマーによって生産されました。その後、ジョン・ダニエル・ヘルツに購入され、1927年に競走馬デビュー。デビューイヤーは14戦4勝とまずまずの成績でしたが、フューチュリティステークスでは僅差で敗れています。

真の実力は3歳シーズン(1928年)に開花しました。ケンタッキーダービーでは、レース前半から好位置をキープし、最後の直線で見事な末脚を発揮。後続に3馬身差をつけて圧勝し、カナダ人騎手チック・ラングをダービー優勝に導きました。この勝利は、カナダ人騎手によるケンタッキーダービー制覇の唯一の記録として現在も残っています。

怪我の影響でプリークネスステークスとベルモントステークスへの出走は叶いませんでしたが、ローレンスリアライゼーションステークスではプリークネスステークス優勝馬を破るなど、その強さを証明しました。古馬との対戦でも活躍し、ジョッキークラブゴールドカップではベテラン馬たちを相手に勝利を収めています。この年の成績は8戦7勝という驚異的なもので、アメリカ年度代表馬に選出されました。

4歳シーズンにはイギリスに遠征。コロネーションカップ優勝、アスコットゴールドカップ2着という好成績を残し、国際的な競走馬としての地位を確立しました。

億万長者も心を奪われた種牡馬としての成功

4歳シーズンを終え、リーカウントは競走馬を引退。引退時には100万ドルの購入申し出があったものの、馬主のヘルツはこれを断っています。ヘルツは「100万ドルで馬を買おうとする奴も、それを断る俺も、両方おかしいのだろう」と語ったと伝えられています。

引退後は種牡馬となり、22頭ものステークス競走勝ち馬を輩出しました。中でも最も有名な産駒は、カウントフリートです。カウントフリートは父と同じくケンタッキーダービーを制覇し、さらにプリークネスステークスとベルモントステークスも制してアメリカ三冠馬に輝きました。自身も種牡馬として成功し、ケンタッキーダービー馬カウントターフを輩出しています。

その他にも、カウントアーサー(ジョッキークラブゴールドカップ優勝)、トリプリケイト(ハリウッドゴールドカップ優勝)、アドニス(トラヴァーズステークス優勝)など、数々の活躍馬を送り出しました。

1948年に23歳で亡くなりましたが、その功績は高く評価され、1978年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館入りを果たしています。

まとめ

リーカウントは、競走馬としての華々しい活躍と、優れた種牡馬としての成功によって、アメリカ競馬史に大きな足跡を残した名馬です。ケンタッキーダービー優勝、アメリカ年度代表馬受賞、そして数々の優秀な産駒という輝かしい功績は、これからも語り継がれていくでしょう。彼の血統は現代のサラブレッドにも受け継がれ、その影響は絶大です。 リーカウントの物語は、競走馬の成功と血統の重要性を示す、まさに伝説と言えるでしょう。

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