リーチ麻雀世界選手権

リーチ麻雀世界選手権（WRC）

リーチ麻雀世界選手権、英語名ではWorld Riichi Championship（略称WRC）として知られる本大会は、日本の競技麻雀形式である「リーチ麻雀」の世界一を決定する権威ある国際大会です。世界中から集まったプレイヤーたちが、この知的なゲームにおける技量を競い合います。

歴史

大会の歴史は、2014年にフランスで幕を開けました。記念すべき第1回大会は、同年7月16日から20日までの日程で、フランスの麻雀団体であるTNT French Riichi Mahjong Clubを主宰するクエンティン・トーマス氏とバレリアン・トーマス氏らが中心となり開催されました。

続く第2回大会は、場所をアメリカ合衆国に移し、2017年10月5日から8日までネバダ州ラスベガスで開催され、国際大会としての認知度を高めました。

さらに第3回大会は、ヨーロッパに戻りオーストリアの首都ウィーンにて、2022年8月25日から28日にかけて実施されました。

そして、第4回大会は初めて日本で開催される予定であり、2025年7月1日から6日の期間、東京都での開催が計画されています。

採用ルール

WRCでは、その名が示す通り「WRCルール」と呼ばれる独自のルールセットを採用しています。このルールは、日本のプロ麻雀団体である日本プロ麻雀連盟が定める「連盟WRCルール」と大部分は共通していますが、国際大会としての公平性や競技性を考慮した細部の違いが見られます。主な特徴は以下の通りです。

持ち点は開始時30,000点、終了時30,000点返しを基本とします。
対局形式は半荘戦、あるいは制限時間が設けられます。
赤色の五筒、五索、五萬などの赤牌は使用しません。
リーチ後の一発や裏ドラは有効となります。
槓を行った際に増える槓ドラおよび槓ウラも適用されます。
複数のプレイヤーが同時にロンをした場合、頭ハネが採用され、ダブロンは認められません。
鳴いてからタンヤオを確定させる「喰いタン」は許可されています。
メンゼンで平和形を完成させた際の自摸和了（平和ツモ）は認められます。
国士無双を聴牌している状態での暗槓に対する槍槓は成立しません。
發を含まない「緑一色」は役満として成立します。
役満が複数重なった場合の複合は認められますが、ダブル役満といった概念は採用されません。
人和（人が第一ツモで浪費せず和了ること）は満貫（4飜役）扱いとなります。
嶺上開花による自摸和了は2飜として計算されます。
役の合計飜数が11飜以上となった場合でも、数え役満とはせず、三倍満で止まりとなります。
符計算において、30符4飜および60符3飜は切り上げ満貫が適用されます。
パオ（包）のルールがあり、大三元、大四喜、四槓子といった役満の完成に際して適用される場合があります。
すでに河に捨てられた牌とまったく同じ種類の牌を使って役を完成させる「食い替え」は禁止されています。
親が和了した場合でも続行するか選択できる「あがりやめ」、役が成立しなくても流局時に点数を獲得できる「流し満貫」、局の途中で特別な条件により流局する「途中流局」、そして持ち点がマイナスになった際の「飛び」といった局の終了条件は採用されていません。
連風牌（場風牌と自風牌が重なる牌）を対子で所有している場合の符は2符となります。
順位点は「+15/+5/-5/-15」のポイント制が用いられ、同点者が複数いる場合は順位点を按分して分配します。焼き鳥（一度も和了れなかったプレイヤーに対する罰則点）はありません。

特記事項

第1回大会では、大会の総合成績とは別に最優秀女性選手賞が設けられ、総合順位11位に入賞した日本の魚谷侑未プロが受賞しています。

リーチ麻雀世界選手権は、日本国内だけでなく、世界各地に広がるリーチ麻雀愛好家たちの交流と競技レベル向上に大きく貢献している大会と言えるでしょう。

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