リー・ジャクソン

リー・ジャクソン：音楽の探求者

リー・ジャクソン（Keith "Lee" Jackson、1943年1月8日生まれ）は、イギリスの音楽シーンを長きにわたり彩ってきたベーシスト兼ボーカリストです。彼の音楽キャリアは、1950年代のスキッフル・ブームに端を発し、ロックンロール、ブルース、そしてプログレッシブ・ロックへと進化を遂げました。

生い立ちと音楽への目覚め

ニューカッスル・アポン・タインで生まれたジャクソンは、幼少期に手製のギターで音楽に触れ始めました。エルヴィス・プレスリーやビル・ヘイリーの音楽に衝撃を受け、ロックンロールに夢中になります。父親から借金をしてギブソンのベースギターを手に入れ、音楽への情熱を本格的に追求し始めました。

バンド活動の黎明期

1958年にスキッフル・バンドに加入したのを皮切りに、様々なバンドを渡り歩きました。1963年には、スペインのサラゴサのアメリカ軍基地で、サンダーランド出身のヴァリアンツというグループのメンバーとして演奏しました。この頃、南北戦争に関する本を読んだことがきっかけで、「リー・ジャクソン」という名前を使い始めました。

ブルースとの出会いとザ・ナイス結成

ニューカッスルにオープンしたア・ゴー・ゴー・クラブで、ジ・アニマルズの前身であるアラン・プライス・リズム・アンド・ブルース・コンボの演奏を聴き、ブルースに強く惹かれました。その後、自身のバンドであるジ・インベーダーズやザ・ヴォン・ダイクスを率いて活動し、ジョン・メイオールやアレクシス・コーナーといったブルース界の巨匠たちと交流を深めました。

『メロディ・メイカー』誌の広告を通じて、ゲイリー・ファーが率いるゲイリー・ファー・アンド・ザ・T・ボーンズに加入し、1965年の大晦日にデビューを果たしました。このバンドで、後にザ・ナイスを結成することになるキーボーディストのキース・エマーソンと出会いました。

エマーソンはザ・T・ボーンズからザ・ヴィップスへ移籍した後、シンガーのP.P.アーノルドのバックバンドを組む際にジャクソンを誘いました。ギタリストのデヴィッド・オリスト、ドラマーのイアン・ヘイグと共にグループを結成し、「パット・アーノルド・アンド・ハー・ナイス」としてアーノルドのバックバンドを務め、ミック・ジャガーがプロデュースした彼女のデビューアルバムのレコーディングにも参加しました。1967年、ドラマーがブライアン・デヴィソンに交代し、9月には「ザ・ナイス」としてアーノルドから独立しました。

ザ・ナイスは、エマーソンの卓越したキーボードプレイと、ジャクソンの堅実なベース、そしてデヴィソンのパワフルなドラムが融合した、革新的なサウンドで人気を博しました。彼らはクラシック音楽をロックに取り入れるという斬新な試みを行い、プログレッシブ・ロックの先駆者として音楽史に名を刻みました。

ザ・ナイス解散後

ザ・ナイスは1970年4月に解散し、ジャクソンは自身のバンド「ジャクソン・ハイツ」を結成し、4枚のアルバムを発表しました。その後、メインホースのパトリック・モラーツと出会い、デヴィソンと共にキーボード・トリオ「レフュジー」を結成しました。レフュジーは、ザ・ナイスのマネージャーだったトニー・ストラットン・スミスと契約し、1974年にデビューアルバムをリリースしましたが、モラーツがイエスに引き抜かれたため、短命に終わりました。

その後の活動

レフュジー解散後、ジャクソンはジャズ・ロック・バンド「ザ・ジンジャー・ピッグ」などで活動し、2002年には、エマーソン、デヴィソンと「キース・エマーソン&ザ・ナイス」として再結成ライブを行いました。2012年には、オーストラリアのカントリーシンガー、ニッキー・ギリスのイギリス・ツアーに参加するなど、精力的な活動を続けています。

リー・ジャクソンは、常に新しい音楽の可能性を追求し、進化し続ける音楽家です。彼の音楽は、時代を超えて多くの人々に愛され続けています。

ディスコグラフィ

ザ・ナイス
ジャクソン・ハイツ
* レフュジー

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