ルアンナムター県

ルアンナムター県：自然と文化が織りなすラオスの魅力

ルアンナムター県は、ラオス北部に位置する県で、山岳地帯が大部分を占めています。県都はルアンナムター郡です。

地理

ルアンナムター県は、南西にボーケオ県、南東にウドムサイ県と隣接し、北はミャンマーのシャン州と中国の雲南省に接しています。北西の国境はメコン川が流れ、自然の境界線となっています。県土の約95%が森林山岳地帯で、標高2000m程度の山々が連なっています。主要な河川としては、ナム・マー、ナム・ロング、ナム・アーン、ナム・ターなどがあり、豊かな水源となっています。

産業

ルアンナムター県は、近年急速な経済成長を遂げており、2013/14年度のGDP成長率は8.9%を記録しました。県内経済は農業が中心で、GDPの51.6%を占めています。その他、工業セクターが22.4%、サービスセクターが26%と続いています。典型的な山岳農業地域であり、水稲栽培や焼畑農業が営まれています。

農林業

低地では、雨期に水稲栽培と香辛料野菜を中心とした菜園が、乾期には河川沿いの氾濫原を利用した野菜栽培が行われています。谷間では、焼畑農業が3-7年の休閑サイクルで行われており、近年は小規模な水田も導入されています。野菜は雨期には焼畑と混作、乾期には河川沿いで栽培されます。森林は二次林化が進み、焼畑の生産性は低下傾向にあります。

山地では、5-20年の休閑サイクルで雨期に焼畑陸稲栽培が行われています。野菜は陸稲播種前に混作され、乾期には渓流近くでアヘンと混作した野菜栽培が見られます。

近年は、サトウキビ、メイズ、キャッサバ、スイカ、バナナ、天然ゴム、茶などの工芸作物や植林が盛んで、主に中国へ輸出されています。特に天然ゴムの作付面積は30,000haに達していますが、価格変動の影響を受けています。

工業

近年、天然ゴムの加工工場やタピオカ澱粉工場が建設されており、工業化が進んでいます。

鉱業

ヴィエンプーカー郡では、かつてタイ資本による石炭採掘が行われていましたが、現在は停止しています。

電源開発

小規模水力発電ダムとして、ナムター3ダム（1.25MW）とナムロングダム（5.6MW）が稼働していますが、県全体では電力不足のため中国から輸入しています。

観光

ルアンナムター県は、豊かな観光資源にも恵まれています。特にナムハー保全林でのトレッキングや、シェンコックからのメコン川観光などのエコツーリズムが人気です。主な観光地としては以下の場所が挙げられます。

シエンチャイ大寺
シェングトゥング仏塔
ムアンシン仏塔
セコン王の家屋
ナイトマーケット
シン郡
ルアンナムター仏塔
ボーテン・デーン・ンガームSEZ（経済特区）
ナムハー保全林
ヴィエンプーカー郡のカオラオ洞窟
ナムディー滝
ナムゲン村のプムプック仏塔

中国国境のボーテンには、経済特区であるボーテン・デーン・ンガームSEZが設置されています。

行政区分

ルアンナムター県は、以下の5つの郡に分かれています。

ルアンナムター郡
シン郡
ローン郡
ウィエンプーカー郡
* ナーレー郡

交通

県内には、南北経済回廊である国道3号線が通り、中国南部とタイ北部を結んでいます。また、ルアンナムター郡からシン郡へは国道17号A線、シン郡からシェンコック村までは国道17号線が延び、ミャンマーに接続しています。

鉄道では、中国ラオス鉄道のボーテン駅とナテゥイ駅が開業しており、空路ではルアンナムター空港がヴィエンチャン首都とを結んでいます。

国境

ミャンマー

ミャンマーとの国境はメコン川で、以前は国境通過が困難でしたが、2015年にラオス＝ミャンマー友好橋が開通し、往来が容易になりました。

中国

中国との国境はボーテンにあり、中国側の町はモーハンです。国境のイミグレーションではアライバルビザが取得できるため、多くの旅行者が利用できます。日本国民は観光目的であればビザ免除でパスポートのみで通過できます。また、シン郡からは地方国境であるパンハイを通って中国へ行くこともできますが、こちらはラオスと中国の国民のみが通行可能です。

民族

ルアンナムター県には、ヤオ族、ランテン族、タイ・ルー族、黒タイ族、ハニ族、モン族、カム族など、多様な民族が暮らしており、それぞれの文化が息づいています。

ルアンナムター県は、豊かな自然と多様な文化が共存する魅力的な場所です。エコツーリズムの発展により、今後ますます多くの人々が訪れることが期待されます。

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