ルイス・コロン・デ・トレド

ルイス・コロン・デ・トレド

ルイス・コロン・デ・トレド（Luis Colón de Toledo）は、16世紀に生きたスペインの貴族であり、探検家クリストファー・コロンブスの孫にあたる人物です。彼の正確な生年は1519年、1520年、あるいは1522年と諸説ありますが、1572年1月29日に亡くなりました。彼は初代ベラグア公爵、初代ラ・ベガ公爵、初代ジャマイカ侯爵、そして第3代インディアス提督といった、新大陸に関連する重要な称号を複数保持していました。

生涯

ルイスは、クリストファー・コロンブスの息子であるディエゴ・コロンと、その妻マリア・デ・トレド・イ・ロハスの間に長男として誕生しました。生まれた場所は、新大陸における最初のヨーロッパ人入植地の一つであるイスパニョーラ島のサントドミンゴでした。

彼の父ディエゴは、その父であるクリストファー・コロンブスにスペイン王室から与えられたものの、後に剥奪された数々の称号や特権の回復を求めて、生涯にわたり法廷での訴訟を続けていました。これは「コロンブス訴訟（Pleitos colombinos）」として知られる一連の法廷闘争の一部です。ディエゴの死後、この複雑な法廷闘争は息子のルイスに引き継がれました。

1536年、ルイスとスペイン王室の間で最終的な妥協が成立しました。この合意に基づき、ルイスはコロンブス家が主張していた他の広範な権利要求のすべてを放棄しました。その代償として、彼はいくつかの非常に重要な権利と特権を獲得しました。

彼は、祖父クリストファー・コロンブス、そして父ディエゴに続く第3代インディアス提督に正式に任じられました。さらに、王室は彼に対して年間1万ダカットという永続的な収入を保証しました。新大陸における領地としては、ジャマイカ島の領主としての完全な支配権が与えられました。加えて、当時のベラグア地方と呼ばれていたパナマ地峡の一帯に、およそ100キロメートル四方（25リーグ四方）に及ぶ広大な領地を獲得しました。これらの領地と特権に伴い、彼は初代ベラグア公爵、初代ジャマイカ侯爵、そして初代ラ・ベガ公爵という、新大陸におけるコロンブス家の地位を象徴する貴族称号も授けられました。

この1536年の妥協は、コロンブス家が新大陸発見の功績に対して得た莫大な権利の一部を終結させる一方で、ルイス・コロン・デ・トレドとその子孫に確固たる経済的基盤と名誉ある地位を保証する画期的な出来事となりました。

子女

ルイス・コロン・デ・トレドは生涯に二度結婚しました。

1546年、彼は最初の妻マリア・モスケラ・イ・パサモンテと結婚しました。マリアはフアン・デ・モスケラとオフラシナ・デ・パサモンテの娘でした。この最初の結婚からは二人の娘が生まれました。

マリア・コロン・デ・トレド・イ・モスケラ：彼女はカスティーリャ地方のバリャドリッドで修道女となりました。
フェリパ・コロン・デ・トレド：彼女は後に父親からベラグア公爵の称号（女公爵として）を継承しました。

1555年、ルイスは二度目の妻アナ・デ・カストロ・オソリオと結婚しました。アナはレモスとサリアの第6代伯爵夫人ベアトリス・デ・カストロ・オソリオと、その二番目の夫アルバロ・オソリオの娘でした。この二度目の結婚からは子どもは生まれませんでした。

ルイス・コロン・デ・トレドの生涯は、祖父コロンブスの遺産と、それを巡るスペイン王室との複雑な関係の中で形作られました。彼の獲得した称号と領地は、新大陸の初期統治史におけるコロンブス家の特殊な地位を示しています。

（関連項目：Pleitos colombinos）

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