パナマ地峡

パナマ地峡は、中央アメリカのパナマに位置し、カリブ海と太平洋を隔てる細長い陸地です。約300万年前に形成され、南北アメリカ大陸を結ぶ重要な役割を果たしてきました。その幅はわずか64キロメートルと狭く、最狭部はサンブラス地峡となっています。

16世紀初頭、バスコ・ヌーニェス・デ・バルボアが原住民から「南の海」（太平洋）の存在を聞き、1513年に太平洋を発見しました。その後、太平洋沿岸にパナマの町が建設され、ペルー発見後は貿易港として発展し、地域の行政中心地となりました。

17世紀には、海賊ヘンリー・モーガンによってパナマの町が破壊され、現在の場所に移転しました。旧市街の遺跡は、ユネスコの世界遺産に登録されています。

植民地時代には、ペルー副王領の金銀がパナマ地峡を横断し、スペインへ輸送されました。17世紀後半には、ライオネル・ウェハがクナ族と生活を共にし、17世紀末には、スコットランドがダリエン計画で入植を試みました。

19世紀のカリフォルニア・ゴールドラッシュでは、大西洋から太平洋へ向かう人々がパナマ地峡を通過しました。蒸気船で地峡に到着した人々は、徒歩や馬、後にパナマ地峡鉄道を利用して太平洋側へ移動し、サンフランシスコへ向かいました。

1880年には、フェルディナン・ド・レセップスがパナマ運河会社を設立しましたが、1889年に破綻し、パナマ運河疑獄事件へと発展しました。

パナマ地峡は、その地理的な位置から、古くから交通の要衝として重要な役割を果たしてきました。地峡を横断するパナマ運河は、大西洋と太平洋を結び、世界の貿易に大きな影響を与えています。