ルイ・デュレ

ルイ・デュレ（Louis Durey, 1888年5月27日 - 1979年7月3日）は、フランス・パリに生まれ、20世紀の音楽界に独自の足跡を残した作曲家です。彼の音楽への目覚めは、クロード・ドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』との出会いがきっかけでした。正規の音楽教育を受けることなく、ほぼ独学で作曲の技術を習得していきました。

1914年、デュレは最初の作曲作品を発表し、音楽家としての活動をスタートさせます。その後、フランス6人組の前身とされる「新しい若者のためのグループ」に参加し、才能を開花させました。このグループにおいて、ジャン・コクトーと協力し『海の底の春』（1920年）などの作品を手掛けました。しかし、モーリス・ラヴェルを敬愛していた彼は、グループの方向性と自身の音楽性の違いから、まもなく6人組を離れ、独自の音楽世界を追求することになります。

1936年、デュレは人民音楽連盟に加入し、彼の音楽は新たな展開を見せます。共産主義の理想に共鳴し、民衆の生活や感情に寄り添った歌曲や合唱曲を数多く作曲しました。特にベトナムや中国を題材にした作品に情熱を注ぎ、カンタータ『長征』（1949年）は彼の代表作の一つとして知られています。これらの作品は、彼の政治的な信念と音楽的な才能が融合したものであり、社会に対するメッセージが込められています。

ルイ・デュレは1979年、南フランスのサントロペで生涯を閉じました。彼の作品は、20世紀の音楽史における重要な位置を占めており、その音楽は今日でも多くの人々に愛されています。

関連リンク：
ルイ・デュレ Louis Durey (1888-1979)
ルイ・デュレの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト (PDFとして無料で入手可能)

もう一度検索