ルイ4世 (西フランク王)

ルイ4世の生涯と業績

ルイ4世（Louis IV d'Outremer）は、920年9月10日にエーヌ県のランで誕生し、953年までの西フランク王国の王として知られています。彼はカロリング朝に属し、シャルル3世（単純王）とイングランド王エドワードの娘エドギフを母：に持つ王子でもあります。

幼少期、ルイは父のシャルル3世が923年に拘束され、廃位されると、わずか3歳で母と共にイングランドへ逃れました。このため、彼は「渡海王（d'Outremer）」の称号を得ることとなります。

936年、ルイは前王ラウールの死に伴い、ユーグ大公の手によってフランスへ呼び戻されました。そして、彼はフランス国内において戴冠を受けるのですが、その統治権は主にラン周辺と北フランスの一部に限られていました。そのため、統治権の拡大を目指し、さまざまな貴族との交渉を行うことになりますが、特にユーグ大公との確執は深刻でした。

939年、彼は神聖ローマ皇帝オットー1世との間にロタリンギアを巡る争いを起こします。しかし、最終的にはオットー1世の妹、ゲルベルガと結婚することで対立を解消しました。この結婚の結果、ロートリンゲン大公位はオットー1世の弟ハインリヒ1世に与えられたものの、ルイはゲルベルガとの間に子供をもうけることになります。

954年9月10日、ルイ4世はランスで落馬事故に見舞われ、そのまま亡くなりました。彼の遺体はサン＝レミ聖堂に埋葬され、王位は子息のロテールが引き継ぎました。

子女

ルイ4世はゲルベルガとの間に数人の子供を授かりました。子供たちは以下の通りです：

• - ロテール（941年 - 986年）：後の西フランク王。
• - マティルド（943年 - 992年）：950年ごろにブルグント王コンラートと結婚。
• - シャルル（945年 - 953年）：短命であった。
• - ルイ（948年 - 954年）：父と同年に亡くなった。
• - シャルル（953年 - 991年）：下ロレーヌ公に就任。

ルイ4世は、彼自身の不遇な立場や周囲との対立に関わらず、王としての地位をなんとか維持し、次代へと王朝を継承するために尽力しました。彼の治世は、フランスの政治史において重要な時期であり、以降の王たちに影響を与え続けることとなるでしょう。

参考文献

• - 柴田三千雄、樺山紘一 他 『世界歴史大系 フランス史1』 山川出版社、1995年
• - 瀬原義生 『ドイツ中世前期の歴史像』 文理閣、2012年
• - Paul Collins, The Birth of the West, PublicAffairs, 2013.

もう一度検索