ルクセンブルク (アルバム)

『ルクセンブルク』は、2003年にブルートーンズがリリースした4枚目のオリジナル・アルバムです。

リチャード・ペインの脱退後、再び4人編成となった彼らが制作に取り組みました。今作では、バンドと長きにわたる関係を築くことになるゴードン・ミルズが初めて共同プロデュースとして参加しています。

アルバムのタイトルは、収録曲「ユア・ノー・ファン・エニモア」の歌詞から取られています。この楽曲は、倦怠期を迎えたSMカップルをテーマにしており、SMセッションで使用するセーフワードが「Luxembourg」であるというユーモラスな設定が盛り込まれています。ちなみに、英語でのLuxembourgの発音は「ラクセンバーグ」に近いものの、アルバムの邦題は大公国のドイツ語読みに準じて「ルクセンブルク」となりました。

マーク・モリスが「これまでの作品とは全く異なる」と語るように、前作とは一線を画し、パンクやガレージロックからの影響を色濃く反映したギターロックサウンドが展開されています。アコースティック・ギターを一切使用していないことも、今作の特徴としてクレジットに明記されています。

マークは収録曲について、「ヒア・イット・カムズ・アゲイン」を「ディーヴォがラモーンズとフィッシュ・アンド・チップスの店で出会ったような曲」、「ファスト・ボーイ」を「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの『僕は待ち人』やエリック・クラプトンの『コカイン』に続く新世紀のドラッグ・ソング」と評しています。

商業面では、自主レーベルからのリリースであったことが影響し、全英49位に留まりました。その後、クッキング・ヴァイナルから再リリースされています。日本盤は、本国から3ヶ月遅れてインディーズのP-VINEから発売されましたが、歌詞と対訳のみで解説は収録されていませんでした。ブルートーンズのアルバムが日本盤で発売されたのは、現在までに本作が最後となっています。

収録曲

1. ヒア・イット・カムズ・アゲイン – Here It Comes Again
2. ファスト・ボーイ – Fast Boy
3. リキッド・リップス – Liquid Lips
4. ユア・ノー・ファン・エニモア – You're No Fun Anymore
5. ビッグ・プロブレム – Big Problem
6. アイ・ラブ・ザ・シティ – I ♥ The City
7. ネバー・ゴーイング・ノーウェア – Never Going Nowhere
8. リトル・ベア – Little Bear
9. コード・ブルー – Code Blue
10. ターン・イット・アップ – Turn It Up

日本盤にはボーナス・トラックとして、ラモーンズのカバー「ビート・オン・ザ・ブラット」が追加収録されています。

シングル

2003年　ファスト・ボーイ/リキッド・リップス|ファスト・ボーイ_リキッド・リップス – 25位
2003年　ネバー・ゴーイング・ノーウェア – 40位

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