ルサ4世

ルサ4世：ウラルトゥ王国最後の王

ルサ4世は、ウラルトゥ王国末期（紀元前595年 - 585年頃と推定）の王であり、ルサ3世の息子とされています。史料の少なさから不明な点が多く、おそらくウラルトゥ王国最後の王と考えられています。

発見

ウラルトゥ王国の末期は、王国自体の衰退に加え、他国史料での言及が極端に少なくなるため、その歴史は多くの謎に包まれています。ルサ4世の存在が明らかになったのは、20世紀後半に行われた発掘調査の成果によるものです。

1952年、アルメニア共和国（当時はソビエト連邦の一部）のカルミル・ブルール（古代名テイシュバニ）遺跡で、円筒印章が捺印されたブッラ（封泥）が発見されました。この円筒印章には、絵柄とともにウラルトゥ語の楔形文字が刻まれていました。1960年、この文字が判読され、「ルサの息子ルサ」という名のウラルトゥ王の名が記されていることが判明しました。

このブッラが出土したのは、都城が炎上し廃絶されたウラルトゥ王国末期の焼土層であり、ルサという名の父を持つルサという名のウラルトゥ王が他にいないことから、この王がルサ4世であると考えられるようになりました。しかし、ルサ4世自身の事績については、この発見以外にはほとんど知られていません。

ウラルトゥ王国の滅亡

紀元前6世紀に入ると、ウラルトゥ王国はかつての勢いを失っていたと考えられています。アルギシュティヒニリ（現アルメニア共和国アルマヴィル）は炎上し、エレブニ（現在のエレバン）は放棄されました。そして、最後の砦であったテイシュバニ（カルミル・ブルール）も、何者かの攻撃により炎上し、廃墟と化しました。ルサ4世もテイシュバニと運命を共にしたと見られています。

これらの遺跡からは、スキタイ式の青銅製鏃が発見されており、スキタイ人が加わった軍勢の攻撃によって落城した可能性が指摘されています。ウラルトゥ王国の滅亡後、その領土はメディア王国の領土に組み込まれました。

ウラルトゥ王国滅亡からおよそ1世紀後、古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは、その著書『歴史』の中でメディアについては詳述していますが、ウラルトゥについては全く言及していません。ウラルトゥの故地に住むアルメニア人の記憶や旧約聖書の中にわずかに残るのみだったウラルトゥ王国が再発見されたのは19世紀のことです。発掘調査などによってその実像が明らかになり始めたのは、20世紀に入ってからのことでした。

参考文献

Арутюнян, Н. В., Биайнили (Урарту), Издательство Академии наук Армянской ССР, Ереван, 1970
Арутюнян, Н. В., Некоторые вопросы последнего периода истории Урарту // Древний Восток, Издательство АН Армянской ССР, Ереван, № 2, 1976
* Дьяконов, И. М., Последние годы Урартского государства по ассиро-вавилонским источникам // Вестник Древней Истории № 2, 1951

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