ルナ・オービター3号

ルナ・オービター3号の概要

ルナ・オービター3号（Lunar Orbiter 3）は、NASAによって1967年に打ち上げられた宇宙探査機で、月面の調査を目的としていました。このミッションは、前の2機の成果を基に、アポロ計画やサーベイヤー計画において安全に着陸できる場所を特定するための重要なデータを提供することを目指していました。

打ち上げと軌道

1967年2月5日にアトラス・アジェナによって打ち上げられたルナ・オービター3号は、同年2月8日21:54UTに月の赤道付近の周回軌道に投入されました。このときの軌道は210.2×1801.9kmの楕円状で、傾斜角は20.9度、周期は約3時間25分でした。打ち上げから4日後、ミッションはさらに高度を調整し、55×1847kmの軌道に変更されました。

月面写真の撮影

ルナ・オービター3号は、1967年の2月15日から23日の期間にわたって月面の撮影を行い、249枚の写真を受信しました。その中には149枚の中解像度写真と477枚の高解像度写真が含まれており、特に高解像度の画像では1メートル単位の細部まで捉えることができました。これにより、月面に存在する宇宙機の位置を特定することも可能であり、サーベイヤー1号の着陸地点に関する情報も記録されていました。

データ取得の経緯

ルナ・オービター3号は、予定よりも早く1967年3月2日から取得データの読み出しが行われましたが、フィルム巻き上げ装置が不安定になり、3月4日には全体の25%を残したまま故障しました。そのため、以降のデータの取得ができなくなりましたが、これまでのデータはミッションの目的を十分に果たすものでした。

科学的意義

このミッションは、月面の地形や特徴を高精度で把握する上で非常に重要でした。得られたデータは、月探査における後続のミッションにおける着陸地点の選定や、宇宙探査の進展に貢献しました。また、月面の放射線強度や流星塵の効果に関するデータも取得され、科学的な研究にも寄与しました。

終息とその後

ルナ・オービター3号は、1967年10月9日に月面に衝突しました。これは計画の一環として、月面の特定の座標である北緯14.3度、西経97.7度に意図的に行われました。これにより、ミッションはその役割を完了し、月面探査の歴史に名を刻むこととなりました。

ルナ・オービター3号の成功は،NASAの宇宙探査戦略において重要なマイルストーンであり、月面探査の多くの進展につながる礎となりました。このミッションの成果は、今後の宇宙探査活動にも引き継がれるでしょう。

もう一度検索