ルノー・スカラ

スカラ

スカラ（SCALA）は、フランスの自動車メーカーであるルノーがかつて製造・販売していた小型セダンです。このモデルは、主に新興国市場での展開を見据えて企画されました。

スカラの生産は、世代によって異なる拠点で行われました。初代は、ルノーの傘下にある大韓民国（韓国）のルノーサムスン釜山工場で生産されました。一方、2代目は、インドのタミル・ナードゥ州チェンナイ近郊にある、ルノーと日産自動車の合弁会社で生産されました。

概要

初代スカラは、韓国市場向けに発売されていたルノーサムスンSM3 CEを基に開発され、2010年に発表されました。このモデルは、新興国への投入を目的としていました。

続く2代目スカラは、当時急成長していたインド市場を主要なターゲットとして開発されました。こちらは、日産自動車の中国版サニーをベースとし、マハラシュトラ州ムンバイにあるルノーのデザインセンターでデザイン作業が行われました。

初代（2010年 - 2013年）

初代スカラは、ベース車両であるルノーサムスンSM3（初代）を基に開発が進められ、2010年4月に発売が公表されました。主な販売地域はメキシコ、コロンビア、エジプトといった国々でした。

外観上のSM3との違いは、主にフロントグリルと各部のエンブレム類に限られており、基本的なメカニズムはSM3と共通でした。初代モデルは2013年まで生産・販売されました。

2代目（2012年 - 2017年）

2代目は2012年8月27日に発表され、同年9月よりインド市場で販売が開始されました。このモデルは、2代目日産ラティオ（タイ市場ではアルメーラ、中国およびミャンマー市場ではサニー、米国市場ではヴァーサセダンとして販売されていたモデル）をベースとしています。

外観デザインは、ルノーのコンパクトカーであるパルスと共通性のあるイメージのフロントマスクが与えられ、リアコンビネーションランプには専用のデザインが採用されました。

グレード構成は、「RxE」「RxL」「RxZ」の3種類が設定されました。基本的な装備を持つ「RxE」に対し、「RxL」では15インチアルミホイールやフルオートエアコンなどが追加されました。最上級グレードの「RxZ」では、これらに加えてスマートアクセスキーシステム、プッシュスタートボタン、本皮革巻ステアリングホイールなどが装備されました。安全装備として、フロント両席エアバッグは基本的に標準装備でしたが、「RxE」グレードのみ運転席側のみの装着でした。

搭載されるエンジンは2種類が設定されました。

1.5L 直列4気筒コモンレール式ディーゼル（K9K型、通称「dCi」）：最高出力85 PSを発揮。主に「RxE」「RxL」グレードに設定されました。
1.5L 直列4気筒ガソリン（XH型）：最高出力99 PSを発揮。主に「RxL」「RxZ」グレードに設定されました。

組み合わされるトランスミッションは、当初は両エンジンともに5速MTのみでしたが、後にガソリン仕様にのみジヤトコ製エクストロニックCVTが追加設定されました。

市場での販売は振るわず、2015年には一時的に生産調整が行われました。2016年には生産が再開されたものの、その後も需要は低迷が続き、最終的に2017年10月には生産を終了しました。そして、2018年3月までには販売も終了していたことが後に明らかとなりました。

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