ルピナス (競走馬)

ルピナスの概要

ルピナス（1965年4月4日生まれ）は、日本中央競馬会に所属していた名牝であり、1968年のオークスを制したことで知られています。彼女は「抽せん馬」としてデビューしましたが、その才能はすぐに花開きました。昭和の時代に活躍した競走馬の一頭として、ファンに愛された存在でもあります。

血統と育成

ルピナスの父はネヴァービートで、彼は2・3歳時には10戦1勝を記録しました。ネヴァービートは重賞での入着も果たしましたが、本格的な競走馬としてはあまり成し遂げられなかったものの、その良血が評価され、1963年に日本に輸入されました。1964年から種牡馬としての供用が始まり、その後は3度のリーディングサイアーに輝くなど、大きな成功を収めました。

ブルードメアサイアーとしてもメジロラモーヌやサクラユタカオーなど諸々の活躍馬を育て出し、1984年から1988年にかけて3度のリーディングブルードメアサイアーに選ばれるなど、血統の重要性を証明しました。ルピナスは、まさにこの良質な血統を引き継いでいました。

競走成績

ルピナスは、1967年の夏に福島競馬場でデビューし、3戦目にしてついに勝利を収めました。その後、1968年には初の重賞挑戦としてクイーンカップに出走し2着を記録しました。桜花賞を目指して関西に遠征しますが、阪神4歳牝馬特別では6着に終わります。しかし、本番の桜花賞では5着と掲示板に食い込むことに成功しました。

その後、中野渡清一騎手に騎乗が変わり、改築工事による時期変更の影響で6月末に行われた優駿牝馬（オークス）に出走します。この年の優駿牝馬は好景気の影響で売上が前年の倍以上に達し、14億円を超える記録となります。桜花賞馬のコウユウが直前に出走を回避し、1番人気となったニツトウヤヨイに対し、ルピナスは8番人気での出走となりました。

レースでは、直線で力強く抜け出したルピナスが、スズガーベラの追撃をクビ差退けて優勝を果たしました。この勝利は、鞍上の中野渡にとって初めてでありながら、最後のクラシック制覇でもありました。ルピナスの優勝は、1978年まで続く抽せん馬によるオークス制覇の先駆けとなりました。

秋には再び菅原泰夫騎手に戻り、年末には有馬記念にも挑戦しますが、結果は8着に終わります。1968年のルピナスの成績は16戦6勝で、優勝したのはオークスのみでしたが、それでも啓衆社賞の最優秀4歳牝馬に選ばれる栄誉を得ました。

引退後

1969年には、古牡馬相手に健闘するも、成績は一勝のみでした。引退後、1971年には繁殖牝馬としてのキャリアをスタートさせましたが、残念ながら彼女が送り出した7頭の産駒に活躍馬はありませんでした。ルピナスは今でも多くのファンに記憶される名馬です。彼女の競走成績や血統の影響力は、後の世代に受け継がれていくことでしょう。

結論

ルピナスは、競馬史に名を刻む重要な存在であり、その数々の栄光は忘れられないものです。彼女の成功は、単なる競走馬としての成果にとどまらず、父ネヴァービートの名声も一層高めることとなりました。ルピナスという名牝の物語は、今後も競馬ファンに語り継がれていくことでしょう。

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