ルワンダ王国

ルワンダ王国

ルワンダ王国（Ubwami bw'u Rwanda）は、14世紀から1962年まで、現在のルワンダに相当する地域を支配していた国家です。王家は11世紀から続いているという伝承があります。

歴史

ルワンダ王家は、伝承によれば1350年頃に始まったとされています。3代目のニギィニャ朝時代に、後のルワンダの領域が欧米諸国の侵略を受けました。国王（ムワミ）は、少数派の牧畜民であるツチのパトロン・クライアント関係の頂点に立ち、ムハジ湖周辺から徐々に支配を広げましたが、周辺部では農耕民であるフツの支配が維持されていました。

第一次世界大戦終結まではドイツ領東アフリカとして植民地支配を受け、ドイツの敗戦後はルアンダ＝ウルンディとしてベルギーの支配下に置かれました。この間、ドイツ軍やベルギー軍の武力によってツチの王権・首長制が強化され、ハム仮説に基づいてツチとフツの「人種」的分離とツチによる間接支配体制が構築されました。

1959年7月、国王（ムワミ）ムタラ3世がベルギー当局によるワクチン接種後に不可解な死を遂げ、弟のジャン＝バティスト・ンダヒンドゥルワがキゲリ5世として即位しました。これに伴い、ツチ人とベルギー当局の関係は急速に悪化します。同年11月、フツ人政党パルメフツの指導者の一人であるドミニク・ムボニュムトゥワがツチに襲撃されたことを契機に、フツ人の大規模な反乱（万聖節の騒乱）が発生し、ベルギー軍は軍政を施行しました。ルワンダは自治権を獲得しました。

1961年、キゲリ5世がキンシャサで開催される国際連合事務総長ダグ・ハマーショルドとの会談へ外遊中、ベルギーの支援を受けたドミニク・ムボニュムトゥワがクーデターを起こし、王政存廃に関する国民投票を実施しました。その結果、キゲリ5世は廃位され、共和制国家の樹立が決定されました。

1962年、ルワンダ共和国として完全に独立しますが、政情不安が後のジェノサイド（ルワンダ内戦）に繋がることとなります。

歴代国王

ルワンダの国王はムワミと呼ばれました。ブルンジにも同様の君主号を持つ国王が存在しました。最盛期にはキブ湖の対岸、後のコンゴ民主共和国キヴ地方東部にも勢力を及ぼし、ニャルワンダやニャムレンゲと呼ばれる人々が移住し、難民の一部はコンゴに逃れました。

第一王朝

ンダヒロ1世（1350年 - 1386年）
ンドバ（1386年 - 1410年）
サメンベ（1410年 - 1434年）
ンソロ（1434年 - 1458年）
ルガンズ1世（1458年 - 1482年）
シイリマ1世（1482年 - 1506年）

第二王朝

キゲリ1世（1506年 - 1528年）
ミバンブウェ1世（1528年 - 1552年）
ユヒ1世（1552年 - 1576年）
ンダヒロ2世（1576年 - 1600年）

第三王朝

ルガンズ2世（1600年 - 1624年）
ムタラ1世（1624年 - 1648年）
キゲリ2世（1648年 - 1672年）
ミバンブウェ2世（1672年 - 1696年）
ユヒ2世（1696年 - 1720年）
カレメーラ（1720年 - 1744年）
シイリマ2世（1744年 - 1768年）
キゲリ3世（1768年 - 1792年）
ミバンブウェ3世（1792年 - 1797年）
ユヒ3世（1797年 - 1830年）
ムタラ2世（1830年 - 1853年）
キゲリ4世（1853年 - 1895年）
ミバンブウェ4世（1895年 - 1896年）
ユヒ5世（1896年 - 1931年）
ムタラ3世（1931年 - 1959年）
キゲリ5世（1959年 - 1961年）

王位請求者

キゲリ5世（1961年 - 2016年）
ユヒ6世（2016年 - ）

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