ル・コルス級フリゲート

ル・コルス級フリゲート：フランス海軍の船団護衛艦

ル・コルス級フリゲートは、フランス海軍が運用していたフリゲート艦級です。E-50型高速護衛艦とも呼ばれ、同国が建造した最初の船団護衛艦として知られています。アメリカ海軍のディーレイ級護衛駆逐艦を設計の基本としていますが、細部の技術や艤装は、従来のフランス海軍艦艇の延長線上にあると言えるでしょう。

設計と特徴

船体はディーレイ級と同じ平甲板型で、艦尾はトランサム・スターンを採用しています。当初はイギリス式のラティス式前檣が予定されていましたが、後に三脚檣に変更されました。計画速度は26ノットでしたが、海上公試では平均3ノット上回る性能を発揮し、燃費が最も優れた巡航速度は14ノットでした。

搭載兵器は当初、対潜攻撃用に3連装長魚雷発射管4基を艦首に装備し、発射口から魚雷を再装填する設計でした。対水上攻撃用の主砲は、当初60口径57mm連装砲2基と105mm砲を計画していましたが、105mm砲の開発中止に伴い、3基目の57mm連装砲に置き換えられました。これらの砲は中部甲板室上と艦橋直前に設置された方位盤と射撃指揮所によって制御されました。

設計の最終段階で、Mle.54 6連装375mm対潜ロケット発射機が追加されましたが、搭載スペースの制約から、方位盤直前に配置されたことで射界が制限されました。興味深いことに、「ル・ブレストワ」は1958年に3番砲をMle.53 100mm自動砲に換装し、運用試験を行いました。これは後に艦隊標準の艦砲となりました。この艦級の設計は、対潜戦能力の強化に重点が置かれていたことを示しています。

配備

ル・コルス級フリゲートは、まず1949年度計画で2隻、1950年度計画でさらに2隻が建造されました。最初の3隻の建造費は、アメリカ合衆国の相互防衛援助計画（MDAP）によって賄われました。この支援は、冷戦期におけるアメリカとフランスの緊密な軍事協力関係を示す一例と言えるでしょう。

まとめ

ル・コルス級フリゲートは、アメリカ合衆国の技術的支援を受けて建造されたフランス海軍の重要な艦級でした。ディーレイ級を参考にしながらも、フランス独自の技術と運用思想が反映されており、船団護衛艦としての役割を果たしました。対潜兵器の搭載状況の変化や、主砲の換装といった経緯は、当時の軍事技術や戦略の変化を反映しており、海軍史研究において貴重な資料となっています。その速力や燃費性能も高く評価されており、フランス海軍における重要な艦艇としてその歴史に名を刻んでいます。

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