ル・プランタン賞

ル・プランタン賞：春の佐賀競馬を彩るサラブレッドたちの戦い

佐賀競馬場で行われる地方競馬の重賞競走、「ル・プランタン賞」。フランス語で「春」を意味するその名にふさわしく、毎年4月、佐賀の春の到来を告げるように開催されています。本記事では、この重賞競走の歴史、特徴、そして魅力について詳しく解説します。

歴史と変遷：ニューイヤーカップから全国交流へ

ル・プランタン賞は、1987年から開催されていたニューイヤーカップの後継として、2002年度（2003年3月）に新設されました。当初は3歳サラブレッドの九州地区（佐賀・荒尾）所属馬限定、牡馬・騸馬の出場を許すKG3競走としてスタートしました。しかし、翌2003年度（第2回）からは、施行時期を4月に変更し、出走条件を九州所属の3歳牝馬に限定。さらに、2007年には九州重賞格付けがKJ3に変更され、2010年には地方競馬全国交流競走となりました。これにより、九州地区以外の地方所属馬も出走可能となり、GRANDAME-JAPAN・3歳シーズンに指定されると同時に、格付けはKJ1へと引き上げられました。

この変更は、ル・プランタン賞の規模と注目度を大きく向上させました。全国の有力な3歳牝馬が集まるレースとなり、競争の激しさは格段に増しました。また、関東オークスの指定競走にもなっているため、その結果が後のレースにも影響を与える重要なレースとなっています。

2010年からは、スタリオンシリーズ競走にも指定されており、優勝馬の馬主には種牡馬の配合権利が付与されます。種牡馬は年によって異なり、「ロドリゴデトリアーノ賞」、「スクワートルスクワート賞」、「キャプテンスティーヴ賞」、「ストラヴィンスキー賞」、「ケイムホーム賞」、そして現在は「ネロ賞」として、優勝馬をさらに輝かせる副賞となっています。

レース条件と賞金：全国の強豪が集う舞台

ル・プランタン賞は、サラブレッド系3歳牝馬による地方全国交流競走です。ダート1800mという距離設定は、馬の持久力とスピードを同時に要求し、レースを最後まで手に汗握るものにします。負担重量は54kgと、3歳牝馬にとって適正な重量です。

賞金は、1着700万円、2着245万円、3着140万円と、地方競馬の重賞レースとしてふさわしい高額な賞金が用意されています。また、サガテレビ社長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、日本軽種馬協会会長賞（ネロ賞）、佐賀県馬主会会長賞、佐賀県競馬組合管理者賞といった数々の副賞も用意されているのも特徴です。

1月の花吹雪賞との関係：両レース制覇の難しさ

1月に行われる花吹雪賞とル・プランタン賞は、距離と条件が全く同じです。ただし、交流範囲は異なります。両レースを制覇した馬は、ナンブラッキーワンなど、これまで数頭しか存在しません。この事実が、両レースの難易度と、それぞれのレースでの勝利の価値の高さを物語っています。

まとめ：春の風を感じさせる名レース

ル・プランタン賞は、佐賀競馬を代表する重賞競走として、地方競馬ファンのみならず、多くの競馬関係者から注目を集めています。その歴史、条件、そして賞金、そしてスタリオンシリーズとの関わりは、このレースを単なる競馬のイベントとしてではなく、佐賀の春の風物詩として位置づけています。今後、さらなる発展と魅力的なレース展開が期待されます。

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