ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン

ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン

ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン（Ludwig August Lebrun, 1752年5月2日 マンハイム生 - 1790年12月16日 ベルリン没）は、18世紀後半のドイツを代表するオーボエ奏者であり、作曲家でもありました。彼は、当時のヨーロッパにおいて、その並外れた演奏技術によって「オーボエの神」と称されるほどのヴィルトゥオーゾとして広く知られていました。

生涯

ルブランは、音楽家を多く輩出した都市マンハイムで生を受けました。父もオーボエ奏者であり、1747年からプファルツ選帝侯カール・フィリップ・テオドールのマンハイム宮廷楽団に所属していました。ルブラン自身も幼少期から音楽に親しみ、早くからその才能を開花させました。12歳という若さで同楽団での演奏活動を開始し、わずか15歳で正式な楽団員として迎え入れられました。このマンハイム宮廷は、革新的な音楽スタイルであるマンハイム楽派の中心地であり、ルブランはカール・シュターミッツやアントン・シュターミッツ兄弟といった同時代の著名な作曲家たちと共に、この楽派の一員として活躍しました。

1778年の夏、ルブランは当時の音楽界で非常に名の知られたソプラノ歌手、フランチェスカ・ダンツィと結婚しました。フランチェスカは、作曲家フランツ・ダンツィの妹としても知られています。結婚後、夫妻は揃って音楽活動を行い、ヨーロッパ各地への大規模な演奏旅行に乗り出しました。ミラノ、パリ、ロンドン、ウィーン、プラハ、ナポリ、ミュンヘン、ベルリンといった主要な音楽都市を巡り、その類稀な才能を披露しました。彼らの共演は絶賛され、ルブランの技巧的なオーボエ演奏とフランチェスカの美しい歌声は、互いを完璧に引き立て合いました。この名コンビのために、多くの作曲家がオーボエのオブリガートを伴うアリアを作曲しています。その中には、イグナーツ・ホルツバウアーのオペラ『ギュンター・フォン・シュヴァルツブルク』（1777年初演、夫妻の結婚後も再演で歌われた可能性）、アントニオ・サリエリの『見出されたエウローパ』（1778年）、ゲオルク・ヨーゼフ・フォーグラーの『カストルとポルックス』（1787年）などが含まれます。

著名な音楽史家であるチャールズ・バーニーは、ルブラン夫妻の驚異的な演奏の息の合い方について、次のように記しています。「フランチェスカ・ダンツィと優れたオーボエ奏者ルブランはいつも一緒に旅し、まるで彼女は彼の楽器以外の何物も聞かなかったように見えるのは、彼らが3度と6度で一緒に演奏する時に、それより上か下の声を聞けた者がいなかったからである！」この記述からも、彼らの音楽的な絆と高いアンサンブル能力がうかがえます。

精力的に演奏活動を行ったルブランですが、1790年、ベルリンにて38歳という若さでその生涯を閉じました。

主な作品

ルブランは、オーボエ奏者としてだけでなく、作曲家としても一定の作品を残しています。特にオーボエ協奏曲は、彼の演奏技術を示す重要なレパートリーとなっています。

バレエ音楽
アルミーダ
ポンチューのアデール
オーボエと管弦楽のための協奏曲
第1番 ニ短調
第2番 ト短調
第3番 ハ長調
第4番 変ロ長調
第5番 ハ長調
第6番 ヘ長調
クラリネットと管弦楽のための協奏曲
変ロ長調
室内楽曲
ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲
フルート二重奏曲
フルート三重奏曲

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