ルーニー・テューンズ・ショー

『ルーニー・テューンズ・ショー』は、ワーナー・ブラザース制作による、人気アニメシリーズ『ルーニー・テューンズ』を新たな視点で描いたスピンオフ作品です。アメリカでは2011年5月3日、日本では2012年1月14日にカートゥーンネットワークで放送が開始されました。

この作品最大の特徴は、従来のアクション重視のギャグアニメから、キャラクターたちの日常を描いたシチュエーションコメディへと方向転換したことでしょう。舞台はロサンゼルスの郊外。裕福なウサギのバッグス・バニーとその家に居候するダフィー・ダックを中心に、個性豊かなキャラクターたちが織りなすコミカルな日常が描かれています。

本編に加え、各エピソードには「Merrie Melodies」と呼ばれるミュージッククリップと、「Road Runner and Wile E. Coyote」と呼ばれるロードランナーとワイリー・コヨーテのCG短編アニメーションが挿入されることがありました（ただし、回によっては省略されることも）。「Road Runner and Wile E. Coyote」は、シリーズ1で製作が終了しています。

主要キャラクターは、知略に長けたバッグス・バニー、自己中心的でちょっぴり間の抜けたダフィー・ダックの他に、彼らの周囲に住むおなじみのキャラクターたちが多数登場します。メキシコ生まれの敏捷なネズミ、スピーディー・ゴンザレス、吃音症のブタ、ポーキー・ピッグ、バッグスの恋人ローラ・バニー、ダフィーの恋人ティナ・ルッソなど、個性豊かなキャラクターたちが、物語に彩りを添えています。

また、タズマニアン・デビル、トゥイーティー、シルベスター、ヨセミテ・サム、グラニー、ウィッチ・レイザーとその息子ゴッサマーといったお馴染みのキャラクターたちも登場し、それぞれが独特の個性と魅力を発揮しています。さらに、マービン・ザ・マーシャン、フォグホーン・レグホーン、マック&トッシュ、ペペ・ル・ピュー、ピート・ピューマ、エルマー・ファッドなど、多くのキャラクターがゲスト出演しています。

日本語吹き替え版では、『バッグス・バニーショー』の主要声優陣が8年ぶりに集結し、懐かしの声でキャラクターたちに命を吹き込んでいます。ただし、ヨセミテ・サム役は、郷里大輔さんの逝去に伴い、石井康嗣さんが担当しています。

本作は、従来のルーニー・テューンズとは異なるアプローチで制作されたため、賛否両論が巻き起こりました。スラップスティックギャグの減少や、カートゥーン的なギャグの欠如、オリジナリティに欠けるシットコム形式への批判もありました。しかしながら、声優陣の演技やキャラクターデザインは高く評価され、各話およそ200万人の視聴者を獲得する人気を維持しました。また、プライムタイム・エミー賞にも3回連続でノミネートされるなど、高い評価を受けています。

『ルーニー・テューンズ・ショー』は、従来のルーニー・テューンズとは異なる魅力を持つ作品として、多くの視聴者から支持を得たと言えるでしょう。従来のシリーズのファンには、新しい視点からのアプローチが新鮮に映った一方で、従来の作風を期待していた視聴者には物足りなさを感じさせた側面もあるでしょう。しかし、個性的で魅力的なキャラクターたちと、彼らの日常を描くユーモラスなストーリーは、多くの視聴者を惹きつけ、人気を博したことは事実です。様々な意見がある中で、この作品はルーニー・テューンズというシリーズに新たな息吹を吹き込んだと言えるのではないでしょうか。

もう一度検索