レイクオスウィーゴ (オレゴン州)

レイクオスウィーゴの概要

レイクオスウィーゴは、アメリカ合衆国オレゴン州クラカマス郡に位置する都市で、一部はマルトノマ郡とワシントン郡にもまたがっています。ポートランドの南約14キロメートルに位置し、人口は約4万人です。市内には私有湖であるオスウィーゴ湖があり、この湖を中心に発展してきました。

歴史

18世紀以前

この地には、もともとクラカマス・インディアンが住んでいましたが、ヨーロッパ人によって持ち込まれた病気によって人口が減少しました。ウィラメット川とトゥアラティン川に挟まれた地域には、初期の開拓者の農場が点在する程度でした。

19世紀

1850年の供与地請求法とホームステッド法によって、多くの人々がこの地に移住してきました。1847年にはアルバート・アロンゾ・ダーラムによってオスウィーゴの町が設立されました。ダーラムは出身地のニューヨーク州オスウィーゴ郡にちなんでこの地を命名し、オスウィーゴ・クリーク沿いに製材所を建設しました。これがオスウィーゴの産業の始まりです。

1855年、連邦政府は残っていたクラカマス・インディアンを強制的に移住させました。当時、ポートランドからオレゴンシティ、トゥアラティン渓谷への通商が盛んでしたが、陸路は困難だったため、川沿いの船着き場やカバードブリッジが利用されていました。現在、ジョージ・ロジャーズ・パーク内にある船着き場は、1850年頃に木材輸送のために開発されたと考えられています。

1865年、トゥアラティン渓谷で鉄鉱石が発見されたことをきっかけにオレゴン・アイロン・カンパニーが設立され、西海岸初となる溶鉱炉が建設されました。その後、オスウィーゴは「西部のピッツバーグ」と呼ばれるほど、鉄産業で栄えました。1886年には鉄道が開通し、ポートランドへのアクセスが向上しましたが、五大湖地域からの安価な鉄の流入により、地元の鉄産業は衰退しました。1890年には銑鉄生産量がピークに達し、町は商業的にも発展しました。

20世紀

20世紀に入ると、オレゴン・アイロン・アンド・スチール・カンパニーは土地開発に注力し、所有していた土地を売却したり、電力供給のための電柱を立てたりしました。湖のレクリエーションとしての可能性が見出され、急速に発展しました。1910年にはオスウィーゴが法人化され、自治体として設立されました。鉄道の電化により、ポートランドとの間の高速列車便が運行され、旅客輸送は1920年にピークを迎えましたが、その後、旅客サービスは終了しました。現在は観光用のトロリーが運行しています。

1930年代から1940年代にかけて、ポール・マーフィーなどの土地開発業者によって、高級住宅地としての開発が進められました。1960年には、隣接するレイクグローヴを合併し、レイクオスウィーゴへと改名されました。

地理

レイクオスウィーゴの総面積は約28.4平方キロメートルで、そのうち陸地が約26.8平方キロメートル、水面が約1.6平方キロメートルです。オスウィーゴ湖は私有湖であり、湖畔には高級住宅が立ち並んでいます。湖の水位は5〜10年に一度下がり、湖畔の土地所有者が船着き場や船小屋を修理する機会となります。市域はシルヴァニア山やトゥアラティンまで広がっています。

人口動態

レイクオスウィーゴは高所得者層が住むポートランド郊外の都市として知られています。住宅価格は高騰しており、特に湖周辺の地域では高額な不動産が見られます。2000年の国勢調査によると、人口は約3万5千人、平均世帯収入は71,597ドルでした。市内には白人が多く住んでいますが、アジア系やその他の人種もいます。

行政

レイクオスウィーゴ市は市会・支配人制を採用しており、市議会が政策を決定し、市支配人が日常業務を遂行します。警察署、消防署、図書館、公園、レクリエーションなどの部門があります。市民の政治活動への参加を促進するために、地区協会が重要な役割を果たしています。20の地区協会があり、地域の発展に貢献しています。また、多くの市民が地域のボランティア活動に参加しています。

公立学校

レイクオスウィーゴ公立学区には、9つの小学校、2つの中学校、2つの高等学校があり、多くの生徒が質の高い教育を受けています。教師1人当たりの平均生徒数は23人で、充実した教育環境が整っています。

文化施設・レクリエーション施設

レイクオスウィーゴには、公園や公共空間、アンフィシアター、水上公園、ゴルフコース、テニスコートなど、様々なレクリエーション施設があります。オスウィーゴ・レイク・カントリー・クラブや乗馬クラブなどの民間の施設も利用可能です。

姉妹都市

レイクオスウィーゴ市は、日本の埼玉県吉川市と姉妹都市提携を結んでいます。

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