レイモンド・バー

レイモンド・バーの生涯とキャリア

レイモンド・バー（Raymond William Stacey Burr）は、1917年5月21日にカナダのブリティッシュ・コロンビア州ニューウェストミンスターで生まれました。彼の父はハードウェアのセールスマン、母はピアニストであり音楽教師という背景のもと、幼少期を迎えました。バーは、父の仕事の関係で中国に住んでいた時期もありますが、両親が離婚後は母と妹、弟と共にアメリカのカリフォルニア州ヴァレーホに移住しました。

軍歴と演技への道

バーは第二次世界大戦中に海軍に入隊し、沖縄戦で負傷しました。戦後、彼は演劇に興味を持ち、1946年から映画界に足を踏み入れ始めました。その後の10年間で90本近くの映画に出演し、特に『陽のあたる場所』や『裏窓』のような名作に関与しました。

彼は悪役を多く演じましたが、特に1956年の『怪獣王ゴジラ』でのスティーブ・マーティン役は後に1985年の『ゴジラ1985』でも再演され、強い印象を残しました。

テレビスターとしての成功

1957年、E・S・ガードナーの『ペリー・メイスン』シリーズでタイトルキャラクターを演じたことが、バーのキャリアの大きな転機となりました。このテレビドラマは大ヒットを記録し、9年間続く人気シリーズとして定着しました。また、彼は1959年と1961年にエミー賞主演男優賞を受賞しました。1967年からは『鬼警部アイアンサイド』に出演し、車椅子を利用する刑事役を演じ、こちらも1975年まで続く長寿番組となりました。

後年の活動と人間性

1980年代には、デニス・ホッパー監督の『アウト・オブ・ブルー』に脇役として登場し、1982年には『フライングハイ2』でペリー・メイスン役のパロディとして出演しました。さらに1985年には再びペリー・メイスン役を演じ、26本の二時間映画シリーズに関与したことでも知られています。

バーは、演じるキャラクターに反して、実生活では多額の寄付を行う慈善家として知られており、養育した孤児も20人に及びます。また、共演者にも平等な尊敬を求める姿勢を持っていました。彼はまた、コロンビア大学の映画学科で演技指導を行っていたことでも知られます。

私生活と最期

彼の私生活に関しては、結婚歴があり数多くの女優とのロマンスが噂される一方で、実際にはゲイであったことが後に明らかになりました。1993年9月12日、バーは肝臓癌によってカリフォルニア州ヒールスバーグで亡くなり、76歳でこの世を去りました。彼の遺体は故郷のニューウェストミンスターのフレーザー墓地に埋葬されています。

ハリウッド大通り6656には彼の名を刻んだ星があり、2000年10月にはニューウェストミンスターに「レイモンド・バー・パフォーミング・アーツ・センター」がオープンしました。この劇場では、恒常的にバーの写真が飾られていましたが、2006年には閉鎖されることとなりました。

主な出演作品

• - 映画作品:

- 『陽のあたる場所』
- 『裏窓』
- 『怪獣王ゴジラ』
- 『ゴジラ1985』

• - テレビドラマ:

- 『ペリー・メイスン』
- 『鬼警部アイアンサイド』

レイモンド・バーは、その多彩な役柄や人間性で多くのファンに愛された俳優であり、彼の存在は今なお人々の心に残っています。

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