レイリア

レイリーア：歴史と自然が織りなすポルトガル中部の都市

ポルトガル中部に位置するレイリーアは、同国の首都リスボンと第2の都市ポルトを結ぶ中間に位置する歴史都市です。レイリア県の中心都市として、約4万2千人が中心部に居住し、市全域では約12万人の人々が暮らしています。リスボンからは約146km、コインブラからは約72kmの距離にあります。

地理と気候

レイリーアは、リス川沿いと丘陵地帯に歴史的建造物が多く点在する美しい街です。特に、レイリーア城が建つ丘陵地帯は、街のシンボルとなっています。

大西洋からの影響を受けるレイリーアは、温暖な気候に恵まれています。春から夏にかけては気温が高く、8月には40℃に達することもありますが、秋から冬にかけては典型的な大西洋岸気候となり、雨が多く、風が強い日が多くなります。しかし、晴天の日も多く、気温が5℃を下回ることは稀です。

歴史

レイリーア地方には古くから人が居住していたと考えられていますが、定住が始まった時期は明確には分かっていません。ケルト人の居住痕跡も残されており、その後、古代ローマの支配を受け、「Collippo」として知られるようになりました。西ゴート王国時代については不明な点が多いですが、711年のイスラム勢力のイベリア半島征服後も集落は存在していました。

1135年、初代ポルトガル国王アフォンソ1世によってレイリーア城がポルトガル王国に奪取されました。これはレコンキスタ（国土回復運動）の一環でした。その後、1137年にはイスラム勢力によって奪還されますが、1142年に再びポルトガル領となりました。

アフォンソ1世とその後継者であるサンシュ1世は城壁を修復し、住民は城壁内に居住してイスラム勢力に備えていました。しかし、12世紀には城壁の外にも居住地域が広がっていきました。この時代には、レイリーア最古の教会であるサン・ペドロ教会（ロマネスク様式）も建設されました。

中世を通じてレイリーアは重要性を増し、何度かポルトガルの国会が開催されました。初めて国会が開催されたのは1245年（アフォンソ2世治世）のことです。14世紀にはディニス1世が城壁やダンジョンを修復し、王宮（現存せず）を建設しました。また、海岸線に松の植林を行い、その木材は後の大航海時代に重要な資源となりました。

15世紀末にはレイリーアはさらに発展し、レイリーア城のある丘陵地帯からリス川沿いに都市が拡大しました。ポルトガルで初めて活版印刷による書籍が出版されたのもレイリーアです。その紙の原料は、ディニス1世が植林した松でした。1550年には、マヌエル1世によりルネサンス様式とマヌエル様式を融合したレイリーア大聖堂が建設されました。この大聖堂には、16世紀の画家シマオン・ロドリゲスによる祭壇画があります。

20世紀以降は中世ほどの繁栄はありませんでしたが、レイリア地方の商業の中心地、交通の要衝として重要な役割を果たし続けています。

スポーツと産業

2004年のUEFA EURO 2004では、レイリーアのエスタディオ・Dr. マガリャンイス・ペッソアで試合が行われました。また、UDレイリアというサッカークラブが、ポルトガルのカンペオナート・デ・ポルトゥガル（3部）に参戦しています。

レイリーアの主要産業はサービス業ですが、プラスチック、鋳型などの製造業、ペットフード、製粉業、セメント製造、観光業なども盛んです。

姉妹都市

レイリーアは世界各地の都市と姉妹都市関係を結んでいます。具体的には、ブラジルのマリンガ、フランスのサン＝モール＝デ＝フォッセ、日本の徳島市、ポルトガルのセトゥーバル、スペインのオリベンサ、ドイツのRheine、イングランドのハルトン、カーボベルデのSão Filipe、モザンビークのナンプラ、ブラジルのサンパウロ市などです。

まとめ

レイリーアは、豊かな歴史、温暖な気候、そして活気ある現代社会が調和した魅力的な都市です。歴史的な建造物や美しい自然、そして活気ある産業と文化が、訪れる人々を魅了することでしょう。

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