レインボーロープウェイ

レインボーロープウェイ：大阪万博を彩った空中散歩

レインボーロープウェイは、1970年に開催された日本万国博覧会（大阪万博）の会場内を結んだ、近畿日本鉄道（近鉄）運営のロープウェイです。博覧会の期間中、来場者に会場を一望できる貴重な体験を提供し、都市における索道利用の可能性を示しました。

路線概要

全長: 870m
方式: 3線自動循環式
所要時間: 7分30秒
駅数: 2駅（西口駅、中央駅）

西口駅は現在の万博記念公園西口ゲート付近、中央駅は万国博ホール（2005年解体）の西側に位置していました。22台のゴンドラが1分間隔で運行され、平均約30mの高さから博覧会会場を見渡せるのが特徴でした。

運行データ

運行期間: 1970年3月14日 - 9月13日（大阪万博開催期間中）
平均乗車数: 1日1万3600人（最高1万8280人）
ゴンドラ: 22台
1台定員: 8名（立席含むと15名）
速度: 秒速2m
運転間隔: 1分
運転時間: 開業当初9:30～21:00、後に9:00～21:30
料金: 大人200円、子供100円
事業費: 2億7千万円（駅舎5500万円）

歴史

1966年10月15日: 日本万国博覧会会場基本計画に、高所観覧用施設としてロープウェイ建設が盛り込まれる。
1969年6月15日: 着工。
1969年12月31日: 竣工。
1970年3月14日: 大阪万博開幕と共に開業。
1970年9月13日: 大阪万博閉幕と共に閉業。

閉幕後

博覧会閉幕後、レインボーロープウェイのゴンドラは、近鉄グループの遊園地である近鉄あやめ池遊園地や伏見桃山城キャッスルランドで休憩施設として再利用されました。ロープウェイ自体は短命でしたが、その構想は後の博覧会や都市型ロープウェイへと受け継がれていきました。

都市索道への影響

レインボーロープウェイは、博覧会という非日常空間における輸送手段としてだけでなく、都市交通におけるロープウェイの可能性を示唆しました。その後の横浜博覧会、山口きらら博、愛知万博などで同様の試みが実施され、東京ディズニーランドのスカイウェイ、よみうりランドのスカイシャトル、YOKOHAMA AIR CABINといった都市型ロープウェイの登場へと繋がっています。

レインボーロープウェイは、大阪万博の記憶と共に、都市交通の未来を垣間見せる存在として、その名を刻んでいます。

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